メッセージ(バックナンバー)

 岡崎久彦先生、櫻井よしこさんと内外情勢について話し合うひと時をもちました。
 過激な性教育とジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチームが開かれました。年末の男女共同参画基本計画(第二次)閣議決定により、行き過ぎた性教育とジェンダーフリー教育に歯止めがかかることになっていますが、実態はどうなのか、文部科学省の説明を聞きながら、厳しい意見がありました。
 また、国連の女性差別に関する委員会に今年レポートを出すことになっていますが、作業プロセスを説明してほしいとの指摘があり、内閣府男女共同参画局として、対応していくことになりました。
 衆議院内閣委員会で、遺棄化学兵器処理問題と性教育問題についてのやりとりをしました。

 息子が「千住家にストラディヴァリウスが来た日」(千住文子著 新潮社)を「母さんも読んでみない?未亡人になった母親と、千住博(日本画家)千住明(作曲家)千住真理子(ヴァイオリニスト)の兄と妹が家族一団となって億を超えるバイオリンのストラディヴァリウスを真理子さんのために買う話なんだけど、大人になってバラバラになって暮らす兄と妹が困難のもとに、また結集するんだ。未亡人のママも生きる意味を見失いそうになっていたのに、3児が億単位の借金を“人間抵当”として差し出して銀行に認めてもらってこれから一生借金を払いつづけると言うと、元気になる。家族が喜びにあふれて再び愛の結晶体になるストーリーだよ」と、言いました。
 千住家といえばエリート家族。私には関係ない話に思えて、書評を読んでも買い求めはしなかった本です。息子にすすめられて読み進むうち、涙、涙。夜が明けてしまいました。1716年製のバイオリンストラディヴァリウスは249代ローマ教皇に捧げられたあと、フランスの貴族、スイスの大富豪のもとに渡り、正式に演奏されたことがないまま300年間眠り続けていたというドラマチックなバイオリンです。
 演奏を重ね、真理子さんはお母さんに言います。「怖いぐらい。バイオリンにすべて見透かされている。もし、不誠実な心を持って接したら、どうなるか不安で。以前のように、安易に楽器にさわれない」お母さんは、これから一生涯途方もない借金を返し続けねばならない真理子さんに声をかけます。
 「どんなに嬉しくっても、内心はつらいでしょう?」真理子さんは答えます。「大丈夫よ。…安心して私たちに、うしろめたいことやずるい気持ち、下品な心やちっぽけな意識、正しくないことや汚れた行い…そのひとつでもあれば、この不思議なバイオリンは、どこかへ飛んでっちゃうのよ。分かるでしょ?感じるでしょ?」
 ヴァイオリニストとバイオリンの関係、神に捧げる芸術家の生きる姿勢、戦うことの神聖さ、多くのことを伝えてくれる本でした。またすべての仕事、生活は神仏と共にあり“下品な心やちっぽけな意識、正しくないことや汚れた行い、そのひとつでもあれば「良き仕事」「美しき生活」はどこかへ飛んでいっちゃう”気がします。

平成18年2月24日 山谷えり子

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