「世界がさばく東京裁判」―85人の外国人識者が語る連合国批判―(ジュピター出版)を読みました。 |
東京裁判を批判していたパール判事は有名ですが、世界14カ国の識者が国際法と東京裁判について考え、行動したものをまとめたものです。 |
たとえば、国務省政策企画部初代部長ジョージ・ケナン(共産主義封じ込め政策などを立案したことで有名になった)は、昭和23年に、アメリカの日本への占領行政の行きすぎに驚き、東京裁判について「制裁は戦争行為の一部としてなされるべきであり、正義と関係ない。またそういう制裁をいかさまな法手続きで装飾するべきでない」と述べたり、GHQ内部でマッカーサー司令官のアドバイザー役を務めた対日理事会議長のウィリアム・シーボルト総司令部外交局長は、後に「全体として裁判をやったこと自体が誤りであったと感じた。…国際法に照らして犯罪ではなかったような行為のために、勝者が敗者を裁判するというような理論には、私は賛成できなかったのだ…私は再び法廷にはもどらなかった」と、役職としては東京裁判を遂行しなければならない立場の人が法律家として良心のもとに行動したことも記されています。 |
東京裁判の内容については異議申し立てが国としては出来ませんが、東京裁判史観からの解放は国民にとって大切なことであり、同時に国際法の重さを尊ぶうえからも重要と思います。 |
なお、今月号の「VOICE」で評論家田久保忠衛氏が東京裁判について論文を書かれ、私と外務省との間での国会のやりとりも引用されています。 |
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平成17年7月26日 山谷えり子 |