夏休みがスタート。共働きのお家は、さぞお子たちのこと心配でしょう。 |
子どもを授かり、母になった時、祖母が言った言葉が忘れられません。「乳児の時はしっかり抱いて肌離さずに。幼児の時は手を離さずに。小中学生の時は目を離さずに。思春期は心を離さずに。母であることは感謝やで。子育ては祈りやで…」ああ、そうは言っても、働く母は夏休み、わが子は大丈夫かしらと仕事をしながら案じるものです。目を離さずにといっても、そうはいかないのが現実の生活。神さま、み仏さまに、子どもをお守りくださいと祈るしかないのが夏休みの親心かもしれません。 |
そこでお願い。 |
田舎の祖父母さまは、帰省のお孫さんをできるだけ長く泊めていただけないでしょうか。祖父母の愛は、人を優しく育てます。日本女性の平均寿命は世界一位の85.59才。男性も世界で二位の78.64才です。長く生きるということは思い通りいかない人生に翻弄されることでもありますが、その中でこそ人は透明な眼差し、遠くを見つめる眼差し、祈りの眼差しをもつものです。 |
とりわけ、夏は親の祖父母、ひいおじいちゃん、ひいおばあちゃんのふるさとの出番です。ラムネにサイダー、ソーダ水、葛餅、白玉、ところ天、なつかしい味を祖父母の声と共に思い出します。 |
ところで夏の季節に好きな俳句です。 |
分け入っても 分け入っても 青い山(種田山頭火) |
夏河を 越すうれしさよ 手に草履(蕪村) |
夏羽織 われをはなれて 飛ばんとす(正岡子規) |
打水に 夕べせはしき 木挽町(武原はん) |
行水の 女に惚れる 鴉かな(高浜虚子) |
皆さま夏バテしませぬように。 |
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平成17年7月27日 山谷えり子 |