メッセージ(バックナンバー)
 ふるさと福井で第60回全国植樹祭が天皇皇后両陛下御臨席のもと行われました。
 天皇陛下がお手植えくださったのはウスズミザクラ、アカマツ、ケヤキ、皇后陛下はウワミズザクラ、トチノキ、スダジイ。
 お手播きくださったのは天皇陛下がヤブツバキ、キタコブシ。
 皇后陛下はユキバタツバキ、ヤマボウシ。
 いづれも福井県の歴史や文化、生活と関わりの深い樹です。
写真:第60回全国植樹祭1
 県内の小学生から高齢者までがボランティア参加し、県外の方も含めると17,000人以上。歌や郷土芸能の上演もありました。
 私も、ウワミズザクラとヤマボウシの植樹をさせていただきました。ふるさとの土に樹を植えるー改めて、その人間的行為の美しさ、重さをかみしめました。
 前夜、レセプションがあり、天皇陛下には福井出身の幕末の歌人橘曙覧の歌と福井県民の話、小さな自然の中に大宇宙の美しさが見つけられる喜びなどをお話させていただきました。
 また皇后陛下に、文武両道(学力、体力日本一)の福井は、家庭円満で、三世代同居の割合が高いことなどをお話しすると、皇后さまは福井の女性がよく働いてきた歴史、たとえば養蚕が盛んで、ていねいさや学ぶ意欲と工夫にあふれた福井の女性の歴史を私にお話くださいました。
 働きながら学ぶことを大切に皆が育ち合ってきた歴史などを、私もよく知らなかった詳しさで、むしろ皇后さまからお教えいただきました。
 働くこと、学ぶことの尊さをお励まし続けてこられた皇后さまから、また大きな宝もののメッセージをいただいた思いです。
 昭和25年にスタートした全国植樹祭で、日本国中に天皇皇后両陛下のお手植えの樹がすくすく育っているのは何と嬉しいことでしょう。
 来年は神奈川県で行われます。松沢神奈川県知事に来年度植樹祭の祭典シンボルを渡し、夜は皆で提灯をかかげ天皇皇后さまのご奉迎式典をいたしました。
 提灯奉迎の式典は、私が幼い頃によく遊んだ佐佳枝廼社の境内。
 夜7時からの式典に昼の2時すぎから行列。600人入ればいっぱいになる境内の周辺でどんどん人の波が長くなります。
 皆で知恵をしぼり、ご協力いただいてのスタートとなりました。
 夜8時、両陛下はお泊りのホテルの窓から部屋を暗くして提灯を上に横にゆっくり動かされます。境内で、私たちもそれをまねて上に横にと動かします。3分、4分、5分…提灯の動きは両陛下と共に私たちの動きの波になります。
 会場から何ともいえぬあたたかな笑い声が起こります。まるで大きな仲の良いひとつの家族のようで、境内と両陛下のおられる窓の距離などないかのように一つになっての不思議な時間が続きました。
 長い歴史の中で、睦み合いながら歴史をつむいできた日本の息遣いが聞こえるようで胸いっぱいとなりました。
 皆さまをお見送りしながら“日本に生まれて良かった”“長く待った甲斐がありました”“本当によかった。日本のことしっかり頼みますね”などの声おかけいただき感無量。
 父の実家と母の実家に報告に行き、大きなあたたかさに包まれ感謝の思いで眠りにつきました。
 うさぎ追いしかの山、小ぶな釣りしかの川…
 山は青きふるさと、水は清きふるさと…
 美しいふるさとだらけの日本です。
写真:第60回全国植樹祭2

平成21年6月7日 山谷えり子

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