アダルト系のパソコンゲームソフトメーカーなど約230社でつくる一般社団法人「コンピュータソフトウェア倫理機構」は、性暴力ゲームソフトの製造・販売を禁止することを決定いたしました。 |
自民党女性局としても取り組んでいた問題で、本日、自民党役員連絡会でも報告いたしました。 |
ウクライナ大使をしていらした方と、ウクライナの教育について話しました。 |
ソビエトの支配より解放されたウクライナは、ウクライナの母国語や宗教、精神性を大切にすると同時に、国際性豊かなウクライナ人を育てようと小学校5年から世界の文学を学ぶ授業を積極的にしているといいます。 |
マークトゥェーンやアンデルセンなどを読み、感じること。日本では芭蕉の俳句や川端康成の「千羽鶴」が教材になっていました。 |
学習のねらいは、松尾芭蕉の授業においては、芭蕉の俳句の意味を考えながら、日本文化の特徴である「わび」「さび」「もののあわれ」等を学習。 |
そして、俳句等の作品を通して、日本人にとって自然はインスピレーションの源であり、自然の描写によって自分の心情を表現する、日本人は平凡さの中に美を見いだし、精神性と物理的な世界との間の調和を大切にする、等を学ぶ。 |
川端康成の授業においては、「千羽鶴」を読みながら、茶道の特徴や登場人物の倫理感や美意識を中心に学習。 |
そして、日本文学における「美しさ」の表現方法を理解し、また日本人は規律正しく倫理意識が高い国民、対人関係に細心の注意を払う国民、文化や伝統を大切にする国民であることを学習。 |
これらの日本文学の学習を通じ日本人の国民性を学ぶことにより、ウクライナと違った文化を持つ日本に対する尊敬の念を養う。 |
芭蕉の俳句の代表として、春夏秋冬にわけて |
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春 |
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この梅に 牛も初音と 鳴きつべし(トゥルコフ・ヘンナディイ訳) |
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花盛り 山は日ごろの 朝ぼらけ(トゥルコフ・ヘンナディイ訳) |
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蝶の飛ぶ ばかり野中の 日影哉(トゥルコフ・ヘンナディイ訳) |
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鴬を 魂にねむるか 矯柳(トゥルコフ・ヘンナディイ訳) |
夏 |
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草いろいろ おのおの花の 手柄かな(シレンコ・アルトゥール訳) |
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寒からぬ 露や牡丹の 花の蜜(シレンコ・アルトゥール訳) |
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田や麦や 中にも夏の ほとどきす(シレンコ・アルトゥール訳) |
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古池や 蛙飛び込む 水の音(トゥルコフ・ヘンナディイ訳) |
秋 |
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秋来にけり 耳を訪ねて 枕の風(シレンコ・アルトゥール訳) |
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見所の あれや野分の 後の菊(トゥルコフ・ヘンナディイ訳) |
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枯枝に 烏のとまりたるや 秋の暮(トゥルコフ・ヘンナディイ訳) |
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雰しぐれ 富士をみぬ日ぞ 面白き(シレンコ・アルトゥール訳) |
冬 |
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初時雨 猿も小蓑を 欲しげなり(シレンコ・アルトゥール訳) |
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初雪や 水仙の葉の たわむまで(トゥルコフ・ヘンナディイ訳) |
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夜すがらや 竹氷らする 今朝の霜(トゥルコフ・ヘンナディイ訳) |
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が紹介され、小学五年生用に以下の質問などが準備され、十分に感受性がとぎすまされるような構成になっています。 |
問 松尾芭蕉の俳句を読んで、どのような絵を描こうと思いましたか。 |
問 これまで紹介された俳句にはどんな“季語”が見られますか。どの“季語”がウクライナ人の季節と当てはまりますか。また、日本文化だけの特徴であるのは何ですか。 |
問 「花盛り…」「草いろいろ…」「枯枝に…」の俳句は、どのよう色と関連しているでしょうか。 |
問 日本の自然をめでる行事を挙げなさい。また、このことは日本人のどのような特徴を示していますか。 |
ウクライナ大使よりご説明をうけ、私“うーん”とうなりつつ、感動。日本にも昔はこのくらいの考えぬかれた工夫された良い教科書があったものです。 |
最近の教科書は、鮮度、純度が落ちています。 |
新学習指導要領による新しい教科書が作られるのは2年後。レベルの高さを期待したいものです。 |
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平成21年6月5日 山谷えり子 |