メッセージ(バックナンバー)
 ある月刊誌を読んでいると、「月謝」についてのやりとりが載っていました。
 ピアノの先生が「休んだ分のレッスン代を返して」と親からいわれて驚いたこと。
  また別の先生は月謝袋が重いので開いてみると7000円分の月謝に対して1000円札が2枚、500円玉6枚、100円玉が16枚、10円玉が36枚、5円玉が7枚、1円玉が5枚で合計7000円。
 あーあ、こんな時代になってしまったのですね。
 私は子供の頃、ピアノ、クラシックバレエ、そろばん、英会話、お絵かきなどを習っていました。
 お月謝は母がいつも新札を整えて持たせてくれました。
 だから、私も子供たちのおけいこ事には新札を、と思って、新札をいただくと、お月謝用事務箱に入れてとっておいたものです。
 3人の子供たちはピアノ、クラシックバレエ、水泳、英会話などをそれぞれ習っていましたので、時には新札を持たせられない月もあります(銀行で両替えをしておけばいいのですが、共働きで忙しくて、出来ないことも多いのです)。
 そんな時は、お月謝袋を子供に渡しながら胸がチクリと痛み、先生に“失礼をお許し下さい”と心の中で謝ったものです。
 そんな心の痛みも今にして思えば、母が私に伝えてくれた豊かな痛みだったのだなぁと思います。

平成21年3月4日 山谷えり子

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