メッセージ(バックナンバー)
 七五三の親、子、祖父母連れで近所の神社はにぎわっています。
 わが家では、長女七才、長男五才、次女三才と一度に七五三がそろった年もあり、大騒ぎしたのは、なつかしい思い出です。
 次女が七才の時は私は編集長で忙しく、少しの時間の休みをとって、夕方にしかできませんでした。
 次女は近所のおじさんたちやおばさんたちに見せて回っているうちに、貸衣装を返す5時の“夕やけ小やけ”のチャイムが鳴りはじめました。
 しっかり者の次女は、さあ大変。延長料金を払わねばならないと(親が言ったわけでもないのに)泣きそうな顔でポックリで乃木神社向けてひた走った思い出がよみがえります。
 彼女はそれから一週間というもの、うつぶせで寝て、幼稚園に日本髪のまま通園しました。
 美しいものが好きな彼女は、今大学を卒業して美術、美容、着付、日本文化などを勉強する学校に行っています。
 源氏物語千年の装束展について、親娘で話しながら、どうしてもっとゆっくり丸一日を彼女の七才の日のために捧げられなかったのかと今も胸痛みます。

平成20年11月1日 山谷えり子

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