メッセージ(バックナンバー)
 WBC世界フライ級タイトルマッチ戦の応援に国立代々木競技場にまいりました。
 WBCチャンピオンの内藤大助さんと、WBC13位で日本チャンピオンの清水智信さんの試合です。
 私はボクシングをリングのそばで見るのは初めて。実は清水智信さんのお父さまとは福井市の幼稚園、小学校、中学校と同じところで学び、特に小学校時代はクラスメートとして毎日のように駆け回っていた仲なのです。
 目の前で挑戦者として戦う智信さんは、父親の少年時代のやんちゃな負けん気を見せ、敏な動きもそっくりで、50年前にタイムスリップしたようで胸いっぱいになりました。
 試合は9回まで勝っていたのですが、10回57秒で内藤大助選手の左フックが決まってダウン。内藤選手が3度目の防衛を果たしました。
 ベテランの執念でしたが、清水智信選手も「最後までやりたかったが、いいパンチをもらってしまった。このままじゃ終われない。絶対チャンピオンになる」「悔しい。8回の採点が出て勝てると思い、わずかに油断したのを見逃してくれなかった」と、冷静かつ執念のコメントを残しました。
 私の目の前を涼やかで引きしまった凛とした顔でリングにのぼった清水選手と、約40分後に母校の大学の仲間たちから“立派だったよ”と声をうけ、悔しさと言いようのない大きな感情を胸に退場する姿を目にし、勝つことへの執念が、これでまたひとつ大きく深くなり、次の試合につながることを感じました。
 それにしても、ボクシングは選挙に似ているところがあります。支援してくださる方々が会場に「○○後援会」ののぼり旗を立て、上京してくださり、両親はそれを感謝や恐縮いっぱいで受けとめる。
 そして結果を出すために、聖なるものと信じる何かのために生命がけで戦う“イクサびと”・・・何かのために戦うためには、日頃の真面目な行いのつみ重ね、祈りの気持、継続させ、強めていく執念、神が与えてくれる失敗や成功の意味を常に考え続けることが大切です。
 試合のあと、父親(私の同級生)に“美しい試合”と告げると、彼は“ありがとう、ありがとう”。
 そこにはやんちゃだった昔の姿ではなく、わきまえを知る立派な大人の中年の父親の姿があり、尊敬の思いが私の体を包みました。
 この日は、イチローが3000本安打をなしとげた日。
 報道によれば3000本安打を打った時、1995年に張本から「次に3000本を打つのはおまえだ、と激励された。きょう達成して一番そのことを思い出す」としみじみ語ったとあります。いい話です。

平成20年7月31日 山谷えり子

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