メッセージ(バックナンバー)

 本日は、教育基本法改正実現を求める国民大会があり全国から教育正常化を求める皆さんが約850人結集、スピーチ致しました。
 出席議員は約80人。「戦争を知らない人のための靖国問題」(上坂冬子著・文春新書)がこの3月20日に発売されましたが、売れに売れて4刷目が出版されています。
 衆議院行政改革特別委員会は終日。参議院内閣委員会で銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案の採決、官邸で政務官会議。自民党文部科学部会・文教制度調査会合同会議。各種女性団体でスピーチを致しました。
 その後、与党協議の責任者である大島理森代議士のところに「愛国心」「宗教的情操の涵養」「教育行政の国の責任」は自民党の3本柱としてきちんと入れてほしいと申し入れに行きました。

 古武道大会で92才の男性の身ごなしの美しさが忘れられず、合気道を30余年ぶりに習い始めています。恐る恐る動いてみると、以前にやっていたでしょうと言われました。道場に記録が残っていますと言われて驚き、感激しました。
 合気道は、敵と戦い破る術ではありません。和合、調和の武道です。相手が攻撃してきた“気”をふところに引き込み、自分の気と合わせて方向をかえ、相手を浄めて返す(倒す)というもの。静かで、控え目で、流れるように美しい人々の動きに見とれています。
 外国人もとても多く、彼らの動きを見ながら、改めて、日本人のつつましく凛とした礼節あふれる動作の美を知らされるような気がしています。
 “国際人になりたければ、まず日本人になりなさい”To be international, be nationalとアメリカ人の先生に言われて、祝詞や合気道や長唄や日本舞踊を習っていたあの頃は静かな実りの日々だったのだなぁと思いました。

 長谷川三千子さんの「からごころ」(中央公論社)を読んでいます。
 「日本人であること」は日本人の目から用心深く隠されている。それの隠されていることすら気づかれぬほど用心深く隠されている。
 国学者の本居宣長は、日本人でありながら日本人であるという問題を発見してしまったっことにより、日本の内からはみ出してしまった人―と長谷川 さんは言い、やまとごころを苦心して学び直さねばならないのが“日本人の宿命”でもあるのではないかという問題提起をしています。
 合気道場からの帰り、桜を見ながら本居宣長が還暦を迎えてうたったとされる有名なうた「しき嶋の やまとごころを人とはば 朝日ににほふ 山ざ くら花」が心にしみて、昔から知っていたこのうたが、今年になって始めて理解できたと思ったばかりでしたので、長谷川三千子さんの指摘には、胸つかれる思 いがしました。
 日本人とは日本人であることを学び直さねばならぬ宿命にあり、しかも学びなおした途端、日本の内からはみ出してしまう…言われてみれば、現代の日本もその苦しみの中にあり続けているように思います。
 論理を声高に語り、市場原理、格差社会などをめぐる議論やらがこのところの日本社会をおおっていますが、静かで控え目で、美しく和らいだ生活を望む“こころ”の働かせ方をしながら、正統とされる政策が作り出せたらと考えます。

平成18年4月11日 山谷えり子

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