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「世界がもし100人の村だったら」
こころのともしび 2003年4月1日 山谷えり子
 
 ベストセラー「世界がもし100人の村だったら」は、世界の現状をわかりやすく示した話がインターネットで世界を駆け回ったものを編集したものです。
 世界がもし100人の村だったら、“52人が女性、48名が男性”“70人が有色人種で30人が白人です”“20人は栄養が十分ではなく、一人は死にそうなほどです。でも15人は太りすぎ・・・”と続く中で、本を読んだわが家の大学生の息子は、夕食の席で「かあちゃんモ一人が大学教育を受け、二人がコンピューターをもっています。けれども14人は文字が読めません、、、“というところで、僕は一瞬時が止まったよ。僕が100分の1の恵まれた状態とは知らなかった」と言いました。
 先日たまたまこの本を作り上げた池田香代子さんにお会いしたので、息子の話を告げると、「私のもとにも若い人から感想がきます。“ものごころついた時から日本は不況だと言われヒドイ国だとは思っていた。でもこんなに恵まれているなんて。私にできることは難でしょう”と書いてあったりするんです」と、ほほ笑まれました。
 世界は多様で、神様の眼から見ると無限の深さと豊かさをもっています。家族がそろって今日のご飯が食べれたから幸せという幸福感を日本人はいつのまにか忘れてしまったのかもしれません。
 私が中学生の頃、わが家は貧乏になり、母は過労から障害者となりました。その時父は1回ごとの食事を奇跡のように感謝しつつ料理をして私たちの心を明るくし、40歳をすぎた母を励まして大学に通わせました。
 試練は、私たちに世界が何であるかを考えさせ、自分のなすべき道を発見させ、感謝の思いを吹き込んでくれる惠のコインの裏表ではないかと思うのです。

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