西域から見た全球化 |
2001年11月号 雑誌・エネルギーフォーラム |
|
北京、シルクロード西域の都市ウルムチとトルファンを訪ねて改めてエネルギー問題を考えさせられました。 |
ファッションは今やニューヨーク、日本、北京同時発といわれ、中国の工場を回れば世界の最新ファッションがわかるというだけあって北京の待行く人の姿はオシャレです。スターバックスカフェの入った高層ビルや新しい道路も街に風格を与えています。 |
数年前までは汚れていた空気も、北京では石炭の油化と自動車の排気ガス規制をして格段に美しくなっています。以前は、環境問題を指摘すると、“中国はそこまで考えるゆとりはない”と反論されたというのに、大学院で環境問題を専門としていると胸を張る人たちにも出会いました。 |
ちなみに、最も論文発表が多いのはグローバリゼーション(全球化)ということでした。 |
地方では毎年何万件もの環境悪化による労働争議があると聞く一方で、経済成長は著しいのに、エネルギー消費量はこの5年間でマイナス。そして売れ筋家電はエアコン、ビデオ、電子レンジ、日本の台数を追い抜いたパソコン、携帯電話となると中国のエネルギー事情や全球化問題はますますつかみ難く感じます。 |
高速道路の総延長キロ数が1万2000km以上と日本を抜き、西部地域のウルムチ、トルファン間の高速道路を走れば、横には中国人観光客を乗せた大型バスが、砂漠の中の風力発電を背にひた走っています。 |
WTO加盟、北京五輪特需で中国の経済成長はさらに著しくなるでしょう。その中で21世紀の世界は、グローバル化と反グローバル化、テロとの戦いという“新しい戦争”などで、どのような枠組が人類全体を幸福にするのか見えなくなってきています。 |
だからこそ、ODAや技術を投入し、環境問題や全球化問題をブレークスルーする働きと対話の場を日本が設定して透明度を高めていかなければならないと思うのです。 |
|
< < プレスルームインデックスへ戻る |