メッセージ(バックナンバー)
 萩市の吉田松陰ゆかりの明倫小学校に行きました。
 この小学校は、毎朝吉田松陰語録を朗唱します。30年間ほど続いています。各学年が、三つずつ朗唱するのです。

1年生
「今日よりぞ  幼心(おさなごころ)を打ち捨てて  人と成りにし  道を踏(ふ)めかし」《一学期》
「世の人は  よしあしごとも  いわばいえ  賤(しず)が誠(まこと)は神ぞ知るらん」《二学期》
「親思うこころにまさる親ごころ  きょうの音(おと)ずれ  何(なん)ときくらん」《三学期》

2年生
「万巻(まんがん)の書を読むに  あらざるよりは  いずくんぞ  千秋(せんしゅう)の人たるをえん」《一学期》
「一己(いっこ)の労を軽(かろ)んずるあらざるよりは  いずくんぞ兆民(ちょうみん)の安(やす)きをいたすをえん」《二学期》
「朋友(ほうゆう)相交(あいまじ)わるは  善導(ぜんどう)をもって  忠告すること  固(もと)よりなり」《三学期》

3年生
「凡(およ)そ生まれて人たらば  宜しく人の禽獣(きんじゅう)に異なる所以(ゆえん)を知るべし」《一学期》
「志(こころざし)を立ててもって万事(ばんじ)の源(みなもと)となす  書(しょ)を読みてもって聖賢(せいけん)の訓(おしえ)をかんがう」《二学期》
「人賢愚(ひとけんぐ)ありと雖(いえど)も  各々(おのおの)一二(いちに)の才能なきはなし  湊合(そうごう)して大成する時は必ず全備(ぜんび)する所(ところ)あらん」《三学期》

4年生
「凡(およ)そ読書の功(こう)は昼夜を舎(す)てず  寸陰(すんいん)を惜しみて是(これ)を励むにあらざれば  其(そ)の功(こう)を見ることなし」《一学期》
「人の精神は目にあり  故(ゆえ)に人を観(み)るは目においてす  胸中(きょうちゅう)の正不正(せいふせい)は眸子(ぼうし)の瞭(りょう)ぼうにあり」《二学期》
「其(そ)の心を尽くす者は  其(そ)の性を知るなり  其(そ)の性を知れば則(すなわ)ち天を知る」《三学期》

5年生
「誠(まこと)は天の道なり  誠(まこと)を思うは人の道なり  至誠(しせい)にして動かざる者は未(いま)だ之(こ)れあらざるなり  誠(まこと)ならずして未(いま)だ能(よ)く動かす者はあらざるなり」《一学期》
「道は即(すなわ)ち高し  美し  約(やく)なり  近(きん)なり  人徒(ひといたず)らに其(そ)の高く且(か)つ美しきを見てもって及ぶべからずと為(な)し  而(しか)も其(そ)の約にして且(か)つ近く  甚(はなは)だ親しむべきを知らざるなり《二学期》
「仁(じん)とは人なり  人に非(あら)ざれば仁(じん)なし  禽獣(きんじゅう)是(こ)れなり 仁(じん)なければ人にあらず  禽獣(きんじゅう)に近き是(こ)れなり 必ずや仁(じん)と人と相合(あいがっ)するを待ちて道というべし」《三学期》

6年生
「体(たい)は私(わたくし)なり  心は公(おおやけ)なり  私(わたくし)は役(えき)して公(おおやけ)に殉(したが)う者を大人(たいじん)と成(な)し  公(おおやけ)を役(えき)して私(わたくし)に殉(したが)う者を小人(しょうじん)と成(な)す」《一学期》
「冊子(さっし)を披繙(ひはん)すれば  嘉言林(かげんはやし)の如く躍々(やくやく)として人に迫る  顧(おも)うに人読まず  即(も)し読むとも行わず  苟(まこと)に読みて之(こ)れを行わば則(すなわ)ち  千万世(せんばんせい)と雖(いえど)も得て尽くすべからず《二学期》
「天地(てんち)には体徳(たいとく)あり  君父(くんぷ)には至恩(しおん)あり  徳に報(むく)ゆるに心をもってし  恩(おん)を復(かえ)すに身をもってす  此(こ)の日再びし難(がた)く  此(こ)の生(せい)復(ふたた)びし難(がた)し  此(こ)の事終えざれば  此(こ)の身(み)息(や)まず《三学期》

 行事の時は全校で朗唱するので、18もの立派な道を求める言葉と覚悟が広がります。
 姿勢正しく、元気いっぱい、大声で“幼心をうちすてて…”と朗唱する小学1年生たち。下足箱も、教室も整然としており、教室は雑巾がけでピカピカ。
 雑巾がきれいに並ぶ教室は学ぶことの尊さを身をもって実践している姿です。胸いっぱいになりました。

平成20年2月21日 山谷えり子

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