メッセージ(バックナンバー)
 自民党スポーツ立国調査会部会がオリンピックメダリストをお招きして、開かれました。
 女子柔道シドニー、アテネ五輪金メダリスト谷亮子選手は、女性アスリートの悩み、出産しても続けられる仕組みづくりや、スポーツ立国への期待を述べられました。
 また、男子ハンマー投げ、アテネ五輪金メダリストの室伏広治選手からは、精神性の高い、哲学的な興味深いお話がありました。
写真:室伏広治選手、谷亮子選手と
 マスコミにもオープンにしたのでちょっとご紹介します。

・日本古典の伝統的運動や感覚重視トレーニングを取り入れる。
科学トレーニングは言うまでもなく大切である。しかし、これからはそれだけでなく、感覚を高める運動を取り入れていくことも大切だと思う。
それは、“沈み”という感覚。“沈み”という感覚は、お茶、踊り、お能、武道、農業…すべてにおいて精通している感覚である。腰でのこぎりを引くというのはあくまでも感覚で、解剖学的なそれを指すものではない。最近の若い選手に“腹を決める”ように言うとほとんどが、腹筋を収縮させるだけである。
感覚を働かし、感覚が運動を生み出す。
これらは筋肉を鍛えるだけでは、つかめない。
何か古典から学ぶものはあるのではないか。(自身のトレーニング方法を考えるヒントにもなっている)
 
・競技を終えてからどのように幸せな人生を送るか。
私はオリンピックで金メダルを獲得した時や世界記録を破った時も選手として素晴らしいが、現役を引退する時にすべてが身に備わった人こそ真のアスリートが完成される瞬間ではないかと思う。(私は古代ギリシャの彫刻家ミュロンが作成した円盤投げの像が理想の姿だと思う)そのようなアスリートを多くの社会に出すことができれば、素晴らしいと思うし、アスリートの社会的価値を上げることにもつながると思う。
 
・アンチ・ドーピングについて
スポーツを見るとき、どんな人間でも人は皆、純粋な気持ちになる。
人々のスポーツに対する期待は大きい。肉体以外は頼りにしない(古代ギリシャのオリンピアンは裸で競技をしていた)様々な活動の中でも稀なジャンルである。薬を使ったらひきょう者扱いになる。特に現代人は薬に依存した社会でもあるだけに、よりスポーツというジャンルは珍しいし、人々が感動するゆえんである。自力で生きる力の大切さなど、その精神をもっと社会に還元すべきところもあるかと思う。
私はアテネオリンピックでは金メダルを獲得したにもかかわらず、オリンピックスタジアムで日の丸をセンターポールに見ず、君が代を聴くことはなかった。その時に優勝した選手がドーピング違反をしたからである。4年間一生懸命血のにじむ思いで、トレーニングしてきた私にとってはとても辛いことでした。是非、このようなことがないように今後の若い選手のためにも多くの予算を当ててほしいと思う。現在もいろんな情報の中で考えると、検査も不十分のようである。そのような選手たちを見逃してほしくはない。
 
・健康を増進して維持してゆく能力を、幼少期から身につけさせてゆくプログラムを目指す。
高齢化社会、少子化の問題を抱えている私達だが、一人でも多くの人が健康でいることができれば、莫大な医療費も軽減されるのではないかと思う。子供のころから家の中でゲームばかりして外で運動しない癖をつけてしまわないようにするべきではないかと思う。
また、日本はもともと精神を重んじる国であったのでスポーツの精神を社会に反映できたら素晴らしい。ただし、どのようなプログラムにするかは、良く考えなければならない。強制的でなく新しい時代に合ったものが望ましい。


平成19年12月11日 山谷えり子

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