メッセージ(バックナンバー)
 出張すると、日本の風景はまだまだ美しいと安心します。
 柿の実、すすきの穂、キンモクセイ、コスモス、菊の花、紅葉も始まっています。秋の日と秋の風は、昔の思い出をたくさん連れてきてくれます。
 今日、福田総理は拉致被害者家族会の方々と面会されました。
 横田早紀江さんは、キンモクセイとコスモスの秋に、またより深くめぐみさんのことを思われるとお話なさいます。
 最近もある会合でこんなお話しをなさいました。
 「キンモクセイが香ってコスモスが風に揺れているこの季節になりますと、私はいつもめぐみがにぎやかな大きい声で、私が庭で育てていたコスモスの花を見ながら大笑いしながら言っていた言葉が思い出されるのです。
“お母さん、コスモスの花っていつも風にふわふわと揺られているものなのに、お母さんの育てたコスモスってなんでこんなに茎が太いの?大きな花で風が吹いても揺れないよ。変なの”と大笑いしたことがありました」
 日本の美しいキンモクセイとコスモスの花を早く被害者の皆さまと日本の地で見ながら“ふるさと”や“もみじ”の歌を歌いたいものだと思います。
 福田総理は、拉致被害者家族の方々との懇談後、記者たちに「ご家族の方からいろいろお話しを聞きました…頑張ろうと思います…帰ってきていらっしゃらない方が全員帰ってきてくださるというのが解決ですよね。それに尽きると思います。…」と決意を述べられました。
 
 笠間稲荷にまいりましたら、みごとな菊人形展を開いていらっしゃいました。
 近所の小・中学生も丹精して育てています。100年前、宮司さまが菊を育てる心、ていねいな和の心が、人々と地域社会を美しく再生すると始められたものが、100年の秋を色どり、人々の心をつないできたことに感謝しました。
 「一葉落ちて天下の秋を知る」は古代中国の書「淮南子」にあるもので、これは大きな桐の葉をさすといわれていますが、最近は、こんな風に季節の変わり目を劇的に感ずることも少なくなりました。
 それでも秋は進み、国会は思い通り進まずです。国民の皆さまに申し訳なさいっぱいです。
 
 桐一葉 日当たりながら 落ちにけり(高浜虚子)
 つぶやきに似たり栗干す母の唄(野澤節子)
 秋七草嫌ひな花は一つもなし(鈴木真砂女)
 風立つや風にうなずく萩その他(楠本憲吉)
 大顔の飛鳥大仏野菊晴れ(高岡智照尼)
 
 毛筆でこれらの俳句を書いて、家に張っておきました。
 息子は「飛鳥大仏野菊晴れかぁ…あの大仏さまの感じが出ているね」と言い、娘は「桐でなくても、日当たりながら落ちにけりの風景があちこちに見られる秋ね」とほほえみました。

平成19年10月26日 山谷えり子

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