メッセージ(バックナンバー)

 東京都千代田区が子育て支援の児童手当を妊娠5ヶ月から支給すると発表しました。お腹の赤ちゃんの生命を尊ぶ考え方は大賛成で嬉しいことです。かつては、満年令のほかに数え年で考えたものです。お腹の中から人間として生きているのですものね。
 3児を授かり、お腹の中で3児はそれぞれ個性的でした。長女は活発でドカドカと私のお腹の中で動き、長男はデリケートでトレモロのように動きました。末娘は要領よくスルーンスルーンとお腹でたゆたっていました。誕生してみると、その動きがそのまま個性につながっているように思えて、おかしかったものです。千代田区の区長はばらまきではないとして「子育てを依頼しているという観点からの支給」とマスコミに答えています。
 私も3人の子を前に抱っこ、後ろにおんぶ、長女の手を引いて歩いていた頃、おじいちゃんやおばあちゃんたちから“ありがとね。育ててくれて。”“子どもはみんなのお宝だ。”などと声をかけられ、泣きそうに有難かったことがあります。
 孤独じゃないんだという声は、どんなに私の心をあたためたことでしょう。
 皇后さまは、昭和30年浩宮さまご誕生の時、
「あづかれる宝にも似てあるときは
   吾子(わこ)ながらかひな畏(おそ)れつつ抱く」
とよまれました。
 この御歌は私の心を母として潤わせ、成長させてくれました。感謝です。

平成18年2月2日 山谷えり子

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