メッセージ(バックナンバー)

 台風の被害について、予算委員会でもたびたび問題となっています。改めて、治水、森林のあり方などは地方の問題でありつつも、国土保全、国家経営の下、グランドデザインの中で広がっているように思います。
 もちろん、無駄や利権で動くことがあってはなりませんので、問題を整理しつつ、“ダムは悪”“地方にすべてまかせよ”の一方的主張も見直し、考えていく必要があるのではないでしょうか。
 ところで、京都 舞鶴で観光バスが立ち往生し、37人の乗客が濁流の中バスの屋根に非難し、10時間以上「上を向いて歩こう」の歌を歌ったり、たまたま乗客であった看護師の体温を下げないようにとの指導のもと、結んで開いてや肩を組んでワッショイをしたエピソードの報道に頼もしい人間性をみる思いがしました。68歳の男性がバスから近くにあった木に泳いで移り、棒で車体が流されるのを防ごうとした話も力強いかぎりです。
 私の祖父は、台風で近所が浸水した時、屋根の上にのぼり、お年寄りや幼児のある家が水につかっていくのを見て“助けにいきなさい”と次々と指令を出したことがありました。
 祖母が“よそさまはよそさまでやらはります。わが家も大変なんです”と言うと、“自分のことは最後じゃ”と一喝しました。“このようにヤセガマンして人を助けてほしい”は、その時以来、山谷家の家訓となりました。68歳の男性の働きの中に祖父の面影を見る思いでした。
 また、私は昭和20年代、30年代の国語の教科書を調べたことがあるのですが、(かつての教科書は良い話を今より多く載せていました) 昭和22年小学6年生の教科書に「心に太陽を」という話がありました。1920年10月、スコットランドで船が難破した折、丸太につかまり凍えている乗客をお嬢さんが“心に太陽をもて・・・くちびるに歌をもて、ほがらかな調子で”と歌いつづけ、皆を元気づけ救命ボートがくるまでこらえたという話です。
 美しい声にみんなも合わせて歌いはじめた・・そのことがなければ、凍え死んでいたでしょうという話を私が子どもたちに読み聞かせたところ、子どもの眼には涙が浮かんでいました(現代風にリメークしたものは「嵐の中の灯台」明成社に編集出版されています)。
 台風で亡くなられたみなさまのご冥福を祈り、被害を最小限にするための政治的課題を片づけるべくつとめてまいります。そして、それぞれの家庭にあっては子どもたちに嵐の中での人間の生き方、社会のあり方を考える何かのお話があったらと思いました。

10月22日
 党の憲法調査会で安全保障及び国際貢献についての意見交換をしました。これまでも各会で議論していますが、自衛隊の位置づけ、集団的自衛権、集団的安全保障に関する規定、国際協力、貢献に関する規定、非常事態に関する規定などについて、論点整理が行われました。妥協できない基本的部分なので価値観の明確化の作業をていねいに行っています。

平成16年10月22日 山谷えり子

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