北京のオリンピック、開会式を見ながら、5年前、夫が事故にあった夜であることを子供たちと話しました。 |
5年前のこの日、私はイラクで連合当局の人とイラクの戦後の復興と日本の役割について話しをし、帰国するという日でした。 |
夫は暑い中にもかかわらず「お母さんが帰ってくるから」と庭の雑草をむしり、私の好きな料理を作って冷蔵庫いっぱいにしてくれていました。その直後夫は、突然の残酷な事故にあい、被岸に旅立ったのでした。 |
5年目の夏を、庭を雑草でなくひまわりの花でいっぱいにしようと、6月に耕し、種をまきました。 |
期待したほどの大輪の花畑にはならず、少しガッカリしていると、息子がなぐさめてくれました。 |
「父さんはいつも少しで満足してたじゃない。母さんの気持ちは届いているからね」 |
そうそう“少欲知足”で、いつもニコニコしている夫でした。 |
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平成20年8月8日 山谷えり子 |