夜、犬の散歩をしていると、キンモクセイの香りが漂うようになりました。静かな闇に包まれて、いつまでも木の下に止まっていたくなる香りです。 |
十余年前、多摩川のほとりの住宅街に引っ越してきたのは、ちょうど今頃の季節でした。息子や、娘たちに街を早く好きになってほしくて、近所のキンモクセイ地図を歩きながら作りました。 |
“原田さんちの角にキンモクセイ”“谷川さんちにも…”と地図を作りながら歩いた日々をなつかしみつつ、胸いっぱいにキンモクセイの香りを吸い込みました。 |
当時、10才の息子が書いた詩です。 |
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すきとおった空気の中で
キンモクセイの花が光る
金色のじゅうたんが気持ちいいな
すきとおった匂いを運ぶ
ゆうびん屋さんの秋の風 |
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秋の風はゆうびん屋さんなんですね。 |
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平成18年10月2日 山谷えり子 |