「稲むらの火」という日本のお話が、タイやスリランカで絵本や紙芝居となって読まれているといいます。 |
かつては、日本の小学5年生用の教科書にも載せられていた有名なお話ですが、最近では、日本の子どもたちもほとんど知らないお話となっています。わが家では、「嵐の中の灯台―親子三代で読める感動の物語」(明成社)という本の中に載せられているのを知り、子どもたちに読ませました。 |
内容は、和歌山県の庄屋、小高い所に住む五兵衛さんが、ふと海を見ると津波が起ころうとしている。村人たちは祭りの準備で誰も気がついていない。早く知らせないと村人たちが津波にのみこまれてしまうと思った五兵衛さんは、とっさに収穫したばかりの一年分のすべての稲むらに火をつけます。村人たちは、庄屋さんのところが火事だと、高台にかけのぼって消火しようとし、津波の危機からのがれることができたというお話です。 |
自己犠牲の心、愛の表現、被災を最小限にする知恵、勇気と行動力など、私はこのお話の中からいろいろ象徴的に学んだように思います。 |
英語、タイ語、シンハラ語、タミル語などで次々と訳されてアジア各地で読まれている「稲むらの火」。日本でももっと読まれてほしいものです。 |
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平成17年7月8日 山谷えり子 |