2005年度活動報告

参議院予算委員会
平成17年3月4日(金曜日)
 
平成十七年三月四日(金曜日)(未定稿)
午後一時開会
山谷議員発言部分抜粋

- 山谷えり子君
 自由民主党、山谷えり子でございます。関連質問をさせていただきます。
 本日は、男女共同参画社会、そして教育基本法改正、教育問題について質問をいたしたいと思います。
 先日もある大手の社長が、自動車会社の社長が、平成十九年までに女性管理職を三倍に増やすなんというふうにおっしゃいました。能力のある女性が適材適所でどんどん使われていくということはうれしいことでございます。また、職場での女性差別もたくさんありますので、そういうことは解消していかなければなりません。町づくりに女性参加があればもっともっと生活者の感覚で町づくりができることでございましょう。
 また、家事、育児などを男女が仲よくすればもっともっと家庭生活も楽しくなることでございましょう。
 そうしたことは進めていかなければならないと思うわけでございますが、しかしながら、今日私が指摘させていただきたいことは、男女共同参画社会基本法、基本計画の中に必ずしもはっきりとは書かれていないんですが、でも実はそういう意図があったのではないかと思われるような今現場での混乱、特に教育、行政関係での混乱が多くの声になって寄せられております。
〔資料配付〕
- 山谷えり子君
 資料をお配りさせていただきました。
 とにかく、こう男女ごちゃ混ぜの教育をしたり、激しい性教育をしたり、結婚の否定とか、ジェンダーフリーというどこの言葉でもない、英語のようですが全然英語ではない、勝手に日本が作った、勝手な、定義も分からない言葉を使って独り歩きさせたり、混乱が起きているわけです。
 それで、「男女共同参画社会の正確な理解のために」ということで、去年の夏に内閣府男女共同参画局が作った資料でございますが、ジェンダーというのは社会的、文化的に形成された性別と規定しとあります。ただ、ジェンダーフリーという用語は、男女共同参画社会基本法、基本計画などでも使っていないと。ところが、一番最後の方に、なお、地方公共団体において、差別をなくすという意味で、定義を明らかにして使用しているものについては問題ないと考えておりますというふうに書いているんですね。
 実は二〇〇四年の二月、福田前男女共同参画担当大臣は、ジェンダーフリーという言葉を使わないように自治体を指導すると言っているんです。それなのに、その後、去年の夏に、定義を明らかにして使用するのには問題ないと、また何だか変なことを言っているんですね。どういう意味ですかね、ジェンダーフリーという定義はどういうふうに考えておられますか。
- 国務大臣(細田博之君)
 山谷議員のこの配付資料の中にもございますように、いわゆるセックスというような男女別の性別を表す言葉も当然あるわけでございますが、いろいろな過去の使われた用語から見て誤解のないように、ジェンダーという言葉が性別、男性と女性を表す言葉としてこれが使われることが多いわけでございます。しかしながら、これはまあ日本語としてはなかなかこなれていないということから、男女共同社会、参画社会基本法においては使われてないわけでございます。
 これに対しまして、これの男女共同参画基本計画におきましては、社会的、文化的に形成された性別というものを、括弧書きでジェンダーという括弧が付いておりますが、この点をしっかりと男女共同社会参画、共同参画社会の実現のためには政策的に方向を打ち出していこうということで方針を出しているわけでございます。
 これに対しまして、ジェンダーフリーという言葉が使い出されてきておりまして、いろいろな評論家あるいは社会学者等々から使われ始めたんでございますが、その用語が極めて一定しません。中には、それこそ今御指摘がございましたような誤解に基づく使用もあるということから、政府は、ジェンダーフリーという用語は使っておらないし、社会的に定義を示すことができないということは明確に言っておるわけでございますが、自治体等によっては、いろいろ調べてみますと、相当この言葉を使っているところがありまして、正しく使われておればある程度やむを得ないということでこのような内閣府の考え方が出ておるということでございます。
- 山谷えり子君
 正しく使われていればという意味がさっぱり分からないんですけれども。
 実は、そのジェンダーという定義自体も、ジェンダーというのは文法的な性の言葉だけなんですよ。この定義もみんなに認められている定義ではないんです、ジェンダーという定義が。専門家の間でも合意が形成されていないものであり、そして、北京会議で使われても、その定義をめぐってカトリック、キリスト教の穏健派、それからイスラム教の国々は、留保条件出したり抗議したりしているんですね。ですから、そのジェンダーという概念そのものが定義もできない、専門家の合意形成もできないということを御認識でございましょうか。
 もう一度お願いいたします。
- 国務大臣(細田博之君)
 日本語として極めてこなれない言葉でございますので、政府としてはこのような言葉を使っておらない。できるだけ分かりやすく、いわゆる男女の差別のもとになるようなことを避けるということを目的として、この共同参画社会の基本計画等を組み立てておるわけでございます。
 私は、できるだけこのジェンダーフリーというような言葉については使わないことがやはり望ましいと考えております。
- 山谷えり子君
 ジェンダーフリーという言葉はもちろんですが、ジェンダーに敏感な視点という、これも意味が不明なんですが、同じようなふうに用いられておりますので、その辺も注意深く御指導いただきたいと思います。
 男女共同参画基本計画というのが決定されておりますが、次の資料でございます、資料2。
 その中に「学校における性教育の充実」というのがございます。この中に、自ら考え判断する決定能力を身に付けよと。これはいわゆる性の自己決定と言われるものでございまして、実は、二〇〇二年の五月、国連の特別総会で子供たちに性の自己決定権云々するのはおかしいのではないかという議論があった、その部分のことなんですね。
 それから次、「家庭科教育の充実」。後ほど私が紹介したいと思いますが、今、子供たちが使われて、使っている家庭科の教科書は、結婚の価値を否定している本当に不思議な、家庭科だか家庭崩壊科だか分からない教科書になっております。
 それから、高等教育の充実、ジェンダーに敏感な視点が組み込まれるようにということで、各地の大学でジェンダー学が必修科目になっております。どんな授業をしているか、私、調べてまいりましたけれども、結局、ジェンダーフリー学をやっているわけでございますね。これが各地の大学で必修科目になりつつあります。
 次のページ、資料3ということ、ところをごらんになっていただきたいと思います。これは、吹田市の小学校一、二年生用、教育委員会が発行している性教育の副教材でございます。上から四行目、「お父さんは、ペニスを お母さんの ワギナにくっつけて せいしが外に出ないようにしてとどけます。」と書いてございます。市の教育委員会は、ほかの県からもとっても評判だからお渡ししていると言うんですね。小学校一年、これ、私、お母さんから届けられたんです。こんな教科書を子供たちに読ませている。許せない。
 次のページを見ていただきたいと思います。資料4でございます。
 これはセックス人形と言われているもので、東京都、石原都知事が、教育委員会が調べたものです。八十の小学校からこのセックス人形が出てきました。どういうふうにやるかという性技術をこういう人形を使って教えるわけです。ほかにもいろいろなグッズがあって、教育委員会が展示いたしまして、都知事は、校長の降格を含め、服務規律違反もございましたが、百十六人の教員を処分いたしました。
 隣のページは、神奈川県の公立の小学校三年生で使っている副教材でございます。
 このような教材、小泉総理に私、以前お尋ねしたこともあるんですが、そのとき総理は、ちょっと行き過ぎじゃないか、考え直さなきゃいけないとおっしゃったんですが、今も相変わらずこういうのが続いていて、私、父兄、父母から大変いろんな声いただくんです。どういうふうにお考えでございましょうか。
- 内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 これは、今私も初めて見たんですけれどもね、この図解入りの、これはちょっとひどいですね。これ、何年生に教えているんですか。
- 山谷えり子君
 三年です。
- 内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 小学生。
- 山谷えり子君
 はい。
- 内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 これは私も問題だと思いますね。
 私も、山谷先生からいろいろそのお話聞いて、同世代の友達と話すことがあるんですけれども、こんな教育というのは私の子供のころなんて受けたことないです、学校で。性教育というのは我々の年代では教えてもらったことありませんが、知らないうちに自然に一通りのことは覚えちゃうんですね。ここまで教える必要があるのかどうか。これは私はちょっと、初めて拝見しましたけれども、ひどいと、教育の在り方というものはもっと考えていただきたいと思います。
- 山谷えり子君
 中山文部科学大臣、これは学習指導要領に逸脱しておりますし、文科省としても、親の思いにちゃんと意見、同意がなければということを言っているんですが、それを聞かずに先生方が暴走しているわけですね。どういうふうにお考えですか。(発言する者あり)
- 国務大臣(中山成彬君)
 国の責任ということを言われましたが、私は、生命というか、命というものはとてもこれは神秘なものであると、それをつなぐ性というのはこれは本当、神聖なものだと、こう思うわけでございまして、そういう観点からこの性の教育はあるべきだし、また昨今、エイズだとかいろんな病気とかありますから、そういう意味で気を付けるべきだと、そういったことから私、この性教育は始まったと思うんですが、今御指摘ありますように、いろいろなことが寄せられております。
 私のところにも、おじいちゃん、あるおじいちゃんから、三年生になる孫が、お母さんがちょっと買物に行っている間に、同級生と何か学校で習ったんだということで一生懸命けいこをしていたという話でびっくりしたというふうなことでありまして、そういう意味で本当に、一部の方だと思うんですけれども、特定の考えの方が行き過ぎた性教育を行っているということは、これはとんでもないことだと、こう思っていまして、文部科学省にそういった情報が寄せられたときはすぐに各都道府県の教育委員会に対して適正にやるようにということで指示しているわけでございまして、先ほど東京都の話もありましたですけれども、正にそういったことで厳しく処分されたと、こう思うわけでございまして、やはり学習指導要領等にもありますけれども、その子供たちの発達段階に応じてきちっと教えるべきものは教えるということでございまして、行き過ぎた性教育というのは、これは本当に子供のためにも、また社会のためにもならぬと、こういうふうに考えておるところでございます。
- 山谷えり子君
 一部ではないんですよ。三、四年前にも、中学三年生百三十万人全員に、日本では中絶が許されているとか、コンドームのはめ方とか、ピルをお勧めすること、冊子が配られましたよね。一部ではないんですね。是非、中教審でやる、あるいはまた全国調査をやる、お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
- 国務大臣(中山成彬君)
 この性教育につきましては、それぞれの地域、学校、それぞれ工夫しながらやっているわけでございまして、例えば、神奈川県では全部、どういう性教育が行われているかということ全部調べたこともございますが、それぞれ区々なものですから、文科省で全国一斉にどういう性教育が行われているかということについて調べるかどうかということはまた考えなきゃいかぬと思いますけれどもね。
 今度の中教審においてはタブーを設けず議論するということになっていますから、この性教育についてもきちっとやはり議論していただきたいなと、こう思っております。
- 山谷えり子君
 小泉総理が、見直す必要があるんじゃないかということで、実は全国調査をしてくれということが言われたんですね。そして、東京都に続いて神奈川県だけがしました。しかしながら、発表されておりません。なぜならば、教職員組合と密約が交わされまして、結果は発表しない、教職員は処分しないということで調査されたんです。残りは全然できません。こういう現状をどうお考えですか。
- 国務大臣(中山成彬君)
 私は神奈川県の調査結果について公表されたというふうに聞いておりましたけれども、本当に大変な問題だと思っていますから、これなかなか、どういうふうに調査するのか、なかなか難しい面もありますけれども、そういう方向で考えないかぬなと思っております。
- 山谷えり子君
 この予算委員会でもっと踏み込んだ答えをどうぞお願いしたいと思います。
- 委員長(中曽根弘文君)
 答弁ですか、大臣。
 中山文部科学大臣。
- 国務大臣(中山成彬君)
 まあこの性の問題、性教育の問題というのは、小泉総理も言われましたけれども、やはり私は神秘なもの、神聖なものだろうと思うので、それを一斉に調査して、それを公表することが本当にいいのかどうか分かりませんけれども、(発言する者あり)皆さん方のこういった意見もございますので、是非、そういうふうな御意見が強いのであれば、それはまた文部科学省としても調べる方向で検討したいと思います。
- 山谷えり子君
 欧米でも性教育はやっております。私も反対しているわけではないんです。年齢にふさわしい、子供の心に配慮した性教育をしてほしいと言っているんですね。
 欧米では、こういう教育をこういう教材でしますということを親に見せて、オーケーとか、うちの子は受けさせないとか、そういうことをやっているんですね。アメリカでも、コンドームの技術教育をしましたらむしろ性病が増えて、妊娠中絶が増えてしまったので、アメリカの国立衛生研究所はそういう教育は駄目だということで、クリントンが方向修正しました。ブッシュはもっとそれに予算を付け直しました。そういうのが今欧米の流れでございます。けれども、日本は今欧米に比べて性病が十倍ぐらいなんです。世界最悪です。
 尾辻厚生労働大臣はその実態御存じだと思いますが、いかがでございましょう。
- 国務大臣(尾辻秀久君)
 性感染症の発生状況につきましては、感染症法に基づいて医療機関から報告をしていただいております。
 その中で、十五歳から二十四歳の若者が占める割合は、病気ごとの数字もありますけれども、一つだけ、例えば性器クラミジア感染症でいいますと、平成十五年で四三%であります。十五歳から二十四歳の若者が占める割合が四三%と、こういうことでございます。
 その他の疾患につきましても若者が高い割合を占めておることは事実でございます。
- 山谷えり子君
 そういうデータの発表の仕方はよく分かりません。
 十九歳の女の子の十三人に一人が性病にかかっているのではないか、これ厚生労働省の研究班の調査のはずでございます。それから、先日、旭川医大、性感染症の学会で調べられたデータでは、十六歳の女の子の二四%が性感染症にかかっているというような、そういう数字でございます。
 私は非難したいと思って聞いているんではないんです。対策を立てるために現実を私たちは知るべきではないかということで質問しているわけでございます。お答えいただければと思います。
- 国務大臣(尾辻秀久君)
 今、私の手元にあります数字でいいますと、十五歳から十九歳、二十歳から二十四歳、この区分けの数字ならございます。
 それから、今お話しになりましたのは、男女高校生の感染状況という旭川医科大学が高校生男女三千人を対象にした調査の結果だと思いますが、その数字もございます。そうしたものはございます。もし話せというお話であれば数字は申し上げます。申し上げた方がいいですか。
 それではまず、さっき申し上げました性器クラミジア感染症、十五歳から十九歳、人数で六千百六十三人、二十歳から二十四歳で一万二千五十九人。割合で申し上げますと、十五歳から十九歳が一四・七%、二十歳から二十四歳が二八・七%でございます。
 それから次に、性器……(発言する者あり)総数は四万一千九百四十五人ですから、それを分母にした今、割合であります。
 それから次に、性器ヘルペスウイルス感染症でありますが、これは十五歳から十九歳が五百五十人、二十歳から二十四歳が一千六百五人。これは総数が九千八百三十二人でありますから、それを分母にいたしますと五・六%と一六・三%になります。
 次に、尖圭コンジローマでございますけれども、これは十五歳から十九歳が七百四十人、二十歳から二十四歳が千六百六人、総数が六千二百五十三人でありまして、それぞれ一一・八%と二五・七%になります。
 次に、淋菌感染症でありまして、これが十五歳―十九歳が二千百七十五人、二十歳―二十四歳が五千二百十人、総数二万六百九十七人のうちの一〇・五%と二五・二%でございます。
- 山谷えり子君
 男女共同参画基本計画のこの性教育の充実の中で、結局、フリーセックスをお勧めするような、年齢を無視した教育が行われているんですね。
 警察庁の調べでは、見知らぬ人とセックスするのは本人の自由だという中高校生が六八%なんですよ。考えられません、見知らぬ人という。本当に私たちは責任を持たなければいけないと思います。それで不妊症になる割合も大変高いです。
 ある産婦人科の先生、富永国比古先生がこんなふうにおっしゃっているんですね。性感染症が既に危険レベルに達しているという認識は、性感染症を治療している医師たちの共通認識であることを強く訴えたい。性的自己決定論に基づく性教育を受けて、性感染症にかかってしまった十代の犠牲者のうめき声に、我々は毎日耳を傾けているのである。彼らのうめき声は、性の自己決定論者たちの声高な発言をも沈黙させる、厳粛な真実であるというふうに言っております。
 本当に男女差別とは何の関係もないこういう教育が、男女基本計画の下に行われているという事実を御認識いただきたいと思います。
 そしてまた、男女基本、共同参画基本計画の中にある家庭科の教科書、家庭崩壊科じゃないかと申しましたが、ちょっと紹介させていただきます。
 資料5というところでございます。これも、私がPTAの講演に行って、お父様がくださったものなんです。うちの娘がこんな本を読まされている、おかしいと言って下すったものです。
 左側のページ。次の疑問に答えてみましょう。A子さんとB夫さんは結婚して二十年、八年前から別居中、きっかけはA子さんに別の好きな人ができたから。この二人は離婚できるでしょうか。
 サッチャーが政権に就いたとき、こんな演説をいたしました。イギリスの子供たちは英語で自分のことを的確に表現できない、伝統、道徳の価値を教わっていない、浮気をする権利があると教わっている、とんでもない、教育改革しなければいけない。
 私は、浮気をする権利なんて学校で教えるわけがないでしょうと思いました。しかし今、日本で、家庭科の教科書で、このような文章があるわけでございます。
 そしてまた、右のページ、下の方でございます。例えば祖母は孫を家族と考えていても、孫は祖母を家族と考えない場合もあるだろう、犬や猫のペットを大切な家族の一員と考える人もあるというふうに書いております。
 別のところでは、従来は未婚の母という言葉が使われてきた、しかし最近は、法律的に結婚せずに子供を産み育てることを自らの意思で選び取って母親になる女性を非婚の母、シングルマザーと呼ぶようになっていると。
 自らの意思で選び取るシングルマザーというのをあたかもお勧めするかのように、その差別とかそういう問題ではなくて、お勧めするかのように書いていると、これは問題ではないかと思いますが、このような家庭科の教科書、御存じでしたでしょうか、小泉総理。
- 内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 知りませんでした。初めてこれ見ました。こういう教育の在り方というものこそ中教審で議論してもらいたいですね。
 私は別に性教育、否定するものじゃないんですけれども、もっとより良いものがあるはずです。
- 山谷えり子君
 ジェンダーに敏感な視点という中に、男女の区別は差別の始まりという訳の分からない思想がございます。
 資料の6でございます。これはトイレ、赤と黒という固定観念を、もうそれが差別の始まりだというんですね。男性は黒、女性は赤といった固定観念をなくすということが大切だと、それで間違える人が続出しちゃうわけですよ。ところが、女性センターは、館長さんが固定観念の排除というねらいは評価できる、色分けはすべきではない。男女共同参画条例を制定する予定、その館長も、別の館長も「男女で色分けするのは、条例や、性別による不利益の解消を目指すジェンダーフリーの見地から好ましくない」という、これこう訳の分からないあれですね。
 それから、男女ごちゃ混ぜで寝かせている教育も行われております。
 これは盛岡なんですけれども、男女、林間学校、五年生で同じテントで寝かせていたんですね。それで保護者が文句を言ったわけですよ、もうびっくりしたと、学校は鈍感じゃないか。学校側は問題ない、市の教育委員会も問題ないと言っているんです。県の教育委員会は問題だと言っているんです。だけれども、こういう状況なんです。
 沼津市では十六校中九校が男女ごちゃ混ぜの部屋で寝かせておりました。山形市でも三十六校中十九校、仙台市では百二十二校中三十三校、全国でございます、これ。各地方自治体でも議会で問題になっております。これも調べていただけますか、文部科学大臣。
- 国務大臣(中山成彬君)
 これは文部科学省でも調べておりまして、ちょっと不適切じゃないかということで、教育委員会の方に指摘しておるということでございます。
- 山谷えり子君
 細田内閣男女共同担当参画大臣にお伺いしたいんですが、これは、私細かいこと言いましたけれども、性教育とかこういう男女のごちゃ混ぜ、区別が差別であるという訳の分からないジェンダーという学問に立って、合意されていない、専門家によっても合意されていない、そういうジェンダーというその概念によってこの男女共同参画基本法の一部というかかなりの部分が運用が始まっているんですね。
 ですから、この前文の「性別にかかわりなく、」って、これ突然入れられたんですよ。政府原案にはなかったんです。そして審議もされていません。「性別にかかわりなく、」というのは、こういうことだったんですかということですよね。それから、第四条に、社会における制度、慣行を中立的なものにする。それがトイレの男女あれになるんですか。まさかと思うことが着々と進んでおります。
 この現状をどうごらんになっていらっしゃいますか。
- 国務大臣(細田博之君)
 男女共同参画社会を形成していくということは、これはもう釈迦に説法ですし、各議員の皆様方もよく御存じのように、社会の中で、家庭の中で、職場の中で、あるいは学校において男女を不当に差別をしたり、そして賃金が違うとか、あるいはいろんな条件を、に差を設けるとか、あるいは出産を、女性が、のみが出産をするわけですけれども、出産を理由に差別があるとか、そういうことを解消していこうと。まだまだ差別があるぞと。これが基本の理念であり、かつ高邁な理念であり、このことに一生懸命取り組んでいる女性も男性もたくさんおありになるわけですよ。そういった中で、その運用を履き違えて、今御指摘のことは確かに大変な誤りであると私は存じます。その一つ一つの誤りの運用はしっかり正さなきゃいけない。
 しかし、男女共同社会、参画社会を形成していくということは、正に人口が減り、結婚をしようとする人が減ってきて、また出産をしようとする人が減っていく、そうして職場に戻ろうと思っても戻りにくい。そういったあらゆる現象が人口減少につながってきて、もう去年の一年で既に男性の人口が減り始めました。来年からは男女の合計の人口が減り始める。そこには、大きないろいろな社会的現象が障害になってこのようになっている。
 したがって、男女共同参画社会をしっかりつくっていこう、企業の皆さんにも学校の皆様にも正しく対応していただこうというのがこの本旨でございますので、この履き違えの例は大いに摘出していただいて是正していただき、また御議論をいただく。そうして、正しい方向で議論をしていただきたいと思っております。
- 山谷えり子君
 本当にひな祭りやこいのぼりを否定するようなことが保育現場でも起きているわけでございますが、官邸には立派なおひな様が飾られておりまして、政府はジェンダーフリーではないというふうに思うんですが。
 ただ、私、男女共同参画条例、四百十二市町村調べました。そうしますと、ジェンダーフリーに関することとか、胎児の生命権を認めていないんではないかという中絶の権利を認めることとか、苦情処理委員会を置けとか、多くの、四百十二、問題があるんですね。
 それで、例えば埼玉県なんかは、苦情処理機関をつくれといったら、その苦情処理機関が公立の男女別学はこの男女共同参画違反であるといって認めないと言い出したんですね。埼玉県の県民が二十七万人署名いたしまして、男女共同参画と公立の男女別学は多様で何の関係もないじゃないか、女性差別とといって、むしろプロテストしたんですけれども。
 今、次の五か年計画が策定中だというふうに思います。次の五か年計画にジェンダーという定義を入れるべきではないと思いますし、また中性化を目指すようなプログラムを入れるべきではないと思いますが、いかがでございましょうか。
- 国務大臣(細田博之君)
 基本的に、男女を差別するような意味での考え方、これはもうすべて排除しなければならないと思います。そして、本来、多くの人が考えて、男女の性差というものはやはり厳然としてあるのでありますし、それはしっかりと守る必要があると。
 先ほど言われましたようなフリーセックスを認めりゃいいじゃないかとかというのは決して男女の平等を認めているわけじゃありません。不倫を認めようじゃないかということもそういうことではございません。そこを、考え方をしっかり整理するということが大事だと思いますので、これからも、この計画の細部につきまして検討を行いますので、山谷委員の御趣旨を踏まえまして取り組んでまいりたいと思います。
- 山谷えり子君
 中間発表をして国民の意見、ヒアリングをする作業を一つ工程に入れていただきたいんですが、いかがでございましょう。
- 国務大臣(細田博之君)
 それは当然いたしてまいりたいと思っております。
- 山谷えり子君
 中山文部科学大臣、一部の曲がった教育とおっしゃいましたが、一部ではないんでございまして、中山大臣御意見お届け箱みたいなのを三か月限定で作っていただけませんか。何百何千と集まると私は思っております。いかがでしょう。
- 国務大臣(中山成彬君)
 すばらしい御提言をいただいたなと思っておりまして、いつでも受け入れているんですけれども。
 大臣になりましてから、もう本当に、この性教育に関するいろんな苦情といいますかそういったのが届いておりまして、これは、要するにこれは、私ども、できるだけ現場に任そう、各学校、教育委員会に任そうというふうな方針でいるものですから、一義的には、まず教育委員会の方でしっかり実態を把握していただくということが大事だと思うんですけれども、さっきの教科書の話もございましたが、教育、何といいますか、検定の範囲内には入るんだけれどもちょっとどうかなというのもあるわけで、そういったことについては、今日テレビ見ておられるお父さん、お母さん、保護者の方々いらっしゃいますので、是非、子供たちの教科書がどうなっているか、一回保護者の目で見ていただきたいと思うんですね。その上でいろいろまた御批判等をいただくと。
 そういったことを、是非、お届け箱でも何でも結構ですから、文部科学省にどんどん寄せていただければ有り難いなと思っております。
- 山谷えり子君
 具体的に、じゃ、四月、五月、六月でお届け箱を作りませんか。
- 国務大臣(中山成彬君)
 準備も要ると思いますけれども、もうできるだけ早く、四月、五月、六月ですか、いいですね、区切ってぱっとやりましょう。
- 山谷えり子君
 教科書問題なんですが、今、今度検定が始まりますが、随分四年前は妨害等々ありました。どういうふうに今考えていらっしゃいますか。
- 国務大臣(中山成彬君)
 前回の採択のとき、御承知のようにいろいろ混乱がございまして、本当にそういう意味では御迷惑を掛けた方もいらっしゃると思うので、その後すぐ文部省の方でも検討いたしまして、毎年四月になりましたら、採択の基準とかそういったものについて通知を出してきちっとやるようにという指導をしているところでございますが、今年も四月には早速そういったことをやりたいと、こう思っていまして、要するに、公平公正な採択ができますように今後とも努めてまいりたいと、こう考えております。
- 山谷えり子君
 採択のシステムと四年前に何があったか、ちょっと分かりやすく御説明いただけますでしょうか。
- 国務大臣(中山成彬君)
 それでは、お答えいたします。
 これは栃木県の下都賀地区における教科書採択のことだと思うんですけれども、平成十三年七月十日、十一日、下都賀採択地区、二市八町の採択地区協議会が開催されまして、十二対十一で扶桑社の教科書が第一となったわけでございまして、そのとき、各市町村においてこの協議会と異なる判断があった場合には再協議する旨の申合せを行いました。
 十二日から新聞報道が始まりまして、県教委、採択地区内の教委、採択地区協議会の委員自宅にファクス、電話が集中いたしまして、それで、十六日、二十三日にかけまして下都賀地区内の教育委員会でもう一回教科書を審議したわけでございまして、九つの委員会で扶桑社を否決と、一の、一つの教育委員会では協議会での再協議を要請ということを決定いたしまして、それで七月の二十五日に申合せに基づきまして採択地区の協議会を再度開催いたしまして、今度は二十対三で他の発行者の教科書、これは東京書籍でございますが、これを採択することになりまして、それで、七月の二十六日から八月の六日にかけまして各教育委員会で審議の結果、東京書籍の採択が決定したということでございまして、その後、平成十五年の四月に下都賀地区を三地区に分割いたしまして、小山市と栃木市を切り離して独立した地区にしたと、こういうのが前回の経過でございます。
- 山谷えり子君
 決まったことが妨害されたり、火を付けるぞと教育委員が脅されたり、もう二度と今年はそういうことが起きないようにちゃんと環境整備を、静ひつな環境でできるようにしていただきたいと思います。
 中山文部科学大臣は、スクールミーティング、三百ですか、御感想がありましたら、これだけ回られた大臣というのはいらっしゃらないと思うんですが。
- 国務大臣(中山成彬君)
 教育改革をやるに当たりましては、まず現場の声を聞こうと、現場に参りまして、先生方とか保護者とか、また子供たちにも話も聞こうと。そこから教育改革は始めようじゃないかということで、私が音頭を取りまして、今文部科学省には、大臣、それで副大臣が二人、大臣政務官二人、五人の政治家がおりますから、この五人で手分けして、それじゃ足りませんので事務方も総動員いたしまして、今、大体全国に小中学校三万ちょっとあるんですけれども、せめてその百分の一ぐらいは回ろうじゃないかということで始めているところでございます。私自身はこの予算委員会でなかなか時間が取れないんですけれども、ちょっと合間を見ては回っておりますが、今五校ほど参りまして、やっぱり回って、現場にいてよかったなということを本当に感じておりまして、やはり現場の先生方、保護者の話を聞くといろんなことが分かるなと。まだしゃべっていいんですかね。
 やはり、何かというと先生方次第だなということをまず感じますね。この総合的学習の時間等についても先生方の力量によるところがあるなと思うわけでございますが、やっぱりもう自分たちの経験からしても、いい先生に恵まれたときには成績も良くなるし、そうでないときには落ちたりするわけでございまして、やはり先生の、本当にいい先生を必要な数確保するというのが一番大事なことだなと、こう思っておることが一つでございます。
 それから、私、今日午前中の片山議員との、でも話しましたが、学校行きましたらまず図書館に行くことにしているんです、図書館。最近読解力が落ちているということが言われるわけでございまして、学校におきましては、まず読書の時間というのを最初の、授業の始めに設けて本を読むようにしている学校もありますが、やっぱり学校に行きまして本当に図書館が充実しているところとそうでないところがあるなということで、やはり読書というのが一番大事だと、読書の習慣を付けることが一番大事だと思っていますので、何とか図書購入費を、これはもう一般財源化されているわけですけれども、是非増やしてもらいたいなということも感じております。
 それから、総合的学習の時間についていろいろな今話が出ているわけですけれども、やはり総合的な学習の時間というのは、これは大事だと思うんです。というのは、いろんな学科を学ぶだけじゃなくて、その学んだ知識を基にして自分で考え判断して行動する、そういう主体性のあるといいますか、生きる力を持ったといいますか、人間力とも言っていますけれども、そういう子供たちを育てる、これは本当に大事なことだと思っています。
 そういうふうに、総合的学習の時間というのは私は非常にいいことだと、こう思っていますが、これも本当に、本当によくやられているところもあるし、もうおざなりになっているところもあると。本当に差があるんで、まあちょっと大変だなと。それからまた、子供たちの興味というのをずっと引っ張っていくのもなかなか大変だということでございまして、この総合的学習の時間というのを今のままでいいのか、少し減らすのかというふうなこともございますし、またやはりもうちょっと、基本教科をしっかりやりたいんだけれどもなかなか、中途半端になっているという本当に切実な先生方の声も聞くわけでございまして、そういう意味で、今中教審で、それこそその性教育の問題も含めて、もうタブーなく、タブーなく議論していただこうと、こう思っていますが。
 まあそういうことで、私、余り先取りして言っちゃいかぬのですが、教科内容を削減しました。だけど、授業時間まで減らしちゃったんですね。このことがどうだったのかなと。土曜日の活用も含めて夏休みも少し考えてもいいんじゃないかということで、もうちょっと授業時間を増やさないと。やっぱり勉強しないと学力は上がらぬと思うんですよね。そういったことが基本じゃないかなと。
 そういったことを学校現場を回りましていろいろ学んでいるところでございますが、これからも精力的に回ってまいりたいなと。どうしても私ども行くところはいいところばっかり選ばれるんで、本当はもう抜き打ち的に行きたい面もあるんですけれども。まあそういう意味で、どうか議員の先生方も、どうか地元の学校を見てきていただきたいと思うんですね。そして、どういう教育が行われているのか、先ほどの性教育の話もそうですけれども、いろんな話が聞かれると思うんですね。聞かれましたら、どうか先生方からも聞かしていただきたいと。
 私ども、精力的にこの目で見て、それで教育改革、本当に子供のために、これからなかなか大変な時代だと思うんですね、大変な時代ですけれども、どういう時代になろうとも、どういう社会になろうとも、たくましく生き抜いていけるそういう日本の子供を育てる、このことを大きな大目標として頑張ってまいりたいと思っております。
- 山谷えり子君
 小中学校で朗読の時間が学習指導要領から外れました。是非、次のときには復活させていただきたいと思います。
 それから、これ、滋賀県の教育委員会が発行している中江藤樹の本なんですね。いいことも一杯やっていますよ、市の教育委員会。ですから、それぞれ先人に学ぶというようなこともお教えいただきたいと思います。
 今、図書館に偉人伝が少なくなってきております。それは、英雄をつくってはいけない、差別につながるからという考えをする人がいるからと聞いておりますが、それもとんでもないことでございます。偉人伝をどんどん読ませてあげたいというふうに思います。
 中山文部科学大臣、「甦れ、日本!」でかなり踏み込んだ提言もしていらっしゃいますが、御紹介いただけますでしょうか。
- 国務大臣(中山成彬君)
 私は、今文部科学大臣を拝命しておりますが、元々経済とか金融とか、そちらの方で中心にやってまいりましたので、この長引く不況といいますか、この十数年の日本の停滞というのは一体何だったんだと。小泉改革も推し進められているわけですけれども、やはり人材ではないかと。人だなということを本当今思っているときに実は文部大臣を拝命いたしまして、正にそういった、今まで人づくり、小泉総理も人づくりが大事だと言われていますが、本当にそういう意味で、この国際的な大競争の時代、そして日本が少子化に向かっていく、このままで、日本の教育が今のままでは本当にどうなっていくんだろうかと。近隣諸国が物すごい勢いで追い上げているわけでございまして、じっとしているだけでもあっという間に追い抜かれてしまうんじゃないかな、こういう、そういう危機感もございまして、「甦れ、日本!」ということで、大臣になって早々でございましたが、公表したところでございます。
 その基本というのは何かといいますと、正に私が申し上げたようなことからして、もっと頑張る子供を応援する教育をしたいと、そしてチャレンジ精神を持った、チャレンジ精神を持った子供たちをたくさん輩出したい、こういう考えでございます。
 とかく今までの教育というのが平等主義、平等に平等にというようなことでございましたが、本当それでいいんだろうかと。もちろん平等に教育は授けなきゃいけませんが、やっぱりその中でもそれぞれの子供たちが切磋琢磨して競い合う気持ちを持って、要するに、この分野では僕はもう負けるけど、こっちじゃおれ頑張るぞ、そういうふうなことでそれぞれの子供たちが頑張るような、またその頑張る子供たちをやっぱり褒めてやると、そして励ましてやると。もっと頑張ればもっとできるんじゃないか、こういうこともやってごらんというふうに、やっぱり学校でも家庭でも地域でも、そういう子供たちをみんなで育てるという。
 そういう意味で、今年の所信表明で小泉総理が、子供は社会の宝、国の宝といみじくも言っていただきましたが、本当にそうだろうと思うわけでございまして、そういった教育をするためにはどうしたらいいんだろうか。
 これも先ほど申し上げましたが、やはり先生方の質を上げるということがとても大事なことだろうと、こう思うわけでございますし、そして、いつも言っていますが、現場主義と。とにかく国は予算的なことではしっかり担保するけれども、しかし教育はそれぞれの地区地区において、その地区の特色を生かし、そして工夫、創意工夫しながら、本当に自分たちの子供を育てるんだ、それこそもう子育て終わった地区の方々の力もかりて、みんなで総力を挙げて子供たちを育てていくということも考えていかにゃいかぬと思いますし、それから最終的には、いろんなことを考えまして、やはり行き着くところは教育基本法の改正だなということを感ずるわけでございまして、戦後の教育というのは、本当にそういう意味ではみんなが学校に行けるようになった、学力水準も上がりまして、それが戦後の日本の経済発展にもつながったと思うんですけれども、その間に失ったもの、失われたものがあるのじゃないかと。
 これは心の問題といいますか、今、道徳の話もされましたけれども、日本に戦後導入されました個人主義というのが日本のような多神教の国では利己主義になってしまって、自分さえよければいい、こういうことになっているのが今の日本のいろんな混乱のもとになっているんじゃないかなと。自分のことも考えながら全体のことも考えられるような、そういう子供たちを育てていかなきゃいけないんじゃないかなということも含めまして、それともう一つは伝統、歴史ですね。
 正に、私は、戦後、戦前、断絶があると思うんです。昭和二十年を境にして断絶があって、日本の過去は全部悪だった、悪かったんだ、そこから出発しているものですから非常に浅くなっているとは思うんですけれども、日本というのはそうじゃなくて、本当に長い歴史を持ったいい国ですから、もっと自分たちの国に自信と誇りを持てるような、そういった教育を子供たちに授けたい。まあ、あと、どういう社会になっても、自分は日本人なんだという、そういう自信と誇りを持って二十一世紀を生きていけるような、そういう子供たちを育てていく、これが私の責任だろうと、こう考えているところでございます。
- 山谷えり子君
 平成十二年、小渕内閣が教育改革国民会議、そして教育基本法改正の議論が平成十三年から十五年まで中教審で徹底的にやられました。国民の意見も聴き、そしてヒアリング、全国各地回りました。答申が出て、もう二年でございます。もう機は熟しております。そろそろ国会で審議をさせていただきとうございます。小泉総理、御意見、御所見、お願いいたします。
- 内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 現在、与党におきましても、この問題につきまして議論をしている最中でございます。当然、日本の伝統、文化、歴史、そのような問題につきまして重要な御指摘を受けておりますので、基本的な問題でありますので、できるだけ早く国会に提出しよう、努力していきたいと思っております。
- 山谷えり子君
 与党の教育基本法改正を検討する会も草案を書けというふうに言っておりますので、中山文部科学大臣、ちょっとスケジュールとか、その作業の、どういうふうに進んでいますでしょう。
- 国務大臣(中山成彬君)
 中教審の答申をいただいてから、この三月でもう二年になるわけでございますし、その間、自民党、公明党、与党の改正に関する協議会、ずっと精力的に続けられているわけでございまして、いろいろありましたけれども、争点も五つぐらいに絞られてきたということの中で、文部科学省に対して草案作成やってみろというふうな御指示もありましたので、今、大体、いろいろな案はあるんですけれども、草案作成に向けて始めようと、こうしているところでございまして、私どもとしては、先ほど申し上げましたが、やはり教育基本法が大事だと、こう思っているわけでございまして、これはもう与野党を通じて、私は民主党の中にもたくさん賛成の方もいらっしゃると思いますので、できるだけ早く国会に出させていただいて、もう議論を始めていただきたい、始めさせていただきたいと、こう考えているところでございます。
- 山谷えり子君
 自民党と民主党で三百八十八人の議員が改正を求めております。もう戦後の教育、ここまで荒廃が進んでしまって、やはり原点、教育基本法改正を是非していただきたいと思います。
 国を愛する心、良き公民を育てなければなりません。また、家庭教育、職業教育あるいは宗教的情操心の涵養。そしてまた教育行政が今めちゃくちゃです。性教育の実態も、学力調査ももう四十年もできない。なぜでしょうね。
 その第十条に関して、何かコメントございましたら中山文部科学大臣。第十条というのは、教育は、「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである。」という条文でございます。
- 国務大臣(中山成彬君)
 このことについては、予算委員会でもいろいろ取り上げられているわけでございまして、とにかく学校の先生方が、これからの子供たちを、立派な子供たちを育てるんだ、そういうことでまとまっていただくといいんですけれども、なかなかそうじゃない。いわゆる日教組の方とかいろんな方々もおられて問題あったんじゃないかなと、こう思っているわけでございますが、しかし、最近日教組も変わってきたなと思うのは、この前、総合的学習の時間、土曜日も授業をすべきだとか……(発言する者あり)
- 委員長(中曽根弘文君)
 静粛にしてください。
- 国務大臣(中山成彬君)
 まあこういうふうな話まで出てきているということでございまして、やはりそういったことでなかなか真っすぐいけなかった面もあるんじゃないかなと、こう思っておりますけれども、やはり教育という、これからの世代を育てるということについて、やはりみんなが力を合わせて頑張っていくべきじゃないかなと、このように考えているところでございます。
- 山谷えり子君
 小泉総理、教育基本法改正について、中身について少し言及できる部分があったらお願いします。
- 内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 現在、精力的に担当者間で協議の最中であります。その努力、見守っていきたいと思っております。
- 山谷えり子君
 町村外務大臣にお伺いします。
 平成十六年、去年の十一月ですが、私が、あの北京の抗日記念館あるいはまた南京の大虐殺館、北京には一千二百万人入場者、南京には一千万人の入場者でございます。両方ともリニューアルして拡大しようとしているということで、事実ではない展示物については外していただけないかというふうに申し上げたら、外交チャンネル通じてどうだろうというふうに申しました。その後どうなっていますでしょう、進捗状況。
- 国務大臣(町村信孝君)
 今の御指摘のような施設を含めまして、中国には愛国主義教育の教育基地というのが全国で、中国共産党中央宣伝部によるところによると二百三か所指定をされている、二百三か所。その中の代表的なといいましょうか、のが六つで、抗日戦争をテーマにしているというふうに私どもは見ております。
 今年の一月、佐々江アジア局長が中国に出張した折に、中国側に対しまして、この両国国民間の相互の認識を改善することが一つの課題であるということで、中国の歴史教育等の在り方についてその改善を提起をしたところでございます。
 政府としては、今後、やはり昨年のいろいろな、例えばサッカーの試合における先方の異常な高まりというのもあったり、どうも国民レベルでの感情の行き違いというものがだんだんひどくなっているのではないかというようなことに私どもも危機感を持っておりまして、御指摘のような施設の展示の在り方も含めて中国側に対して改善すべき点は改善するようしっかりと求めていくようにしております。私も近いうちに、まだいつと決まったわけじゃございません。中国の外務大臣とまた会う機会もあろうと思いますので、そんな折にもこの問題を具体的に提起をしてまいりたいと思います。
- 山谷えり子君
 事実ではない写真を外務省はお持ちだと思いますので、具体的にそういうような外交チャネルで、具体的な作業でお願いしたいと思います。
 教育、子供は社会の宝でございます。是非、教育改革、そして教育基本法改正、今国会中にお願いしたいというふうに思います。
 ありがとうございました。

以下にアクセスいただければ、全文をご覧いただけます。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/frame/joho2.htm

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