平成13年度活動報告

『重点予算』に注文
西日本新聞 平成13年8月27日掲載記事
 
[ 人材育成・教育 ] …「羅針盤」与える学校に
---「日本人は『四過ぎ』」というのが持論だとか。
 「子どもたちは勉強し過ぎ、若者は遊び過ぎ、中年は働き過ぎ、高齢者は暇過ぎ。今の教育は『スピードメーター』を与えるだけで、人生の『羅針盤』をくれない。夢や志を持たせるような教育になっていない。これが『四過ぎ』の原因」
 「そんな教育を変えるにはどうするか。小中学校では、校長に権限を、学校に財源を与える。子どもたちに自分の持つ知識や技術を教えたいという『ボランティア教室』を、校長がどんどん任命できるようにする」
 「各校に百万〜二百万円ずつ配分して、空き教室をリフォームし、こうしたボランティア授業に使いやすいように作り替える。子どもたちが自分のやりたいことと出合えるように、学校が地域における「知のコーディネーター」役を果たすようにする。予算はそんなふうに使うべきです」
人生のドラマ作り
---高齢社会を迎え、生涯学習も重要になりそうだが。
 「「フリーライター時代、たびたび渡米した際に体験したことだが、アメリカで生涯学習の場となっているコミュニティーカレッジが参考になりそうだ。そこでは、例えばお年寄りに陶芸を教えるにしても、単に陶芸の技法だけでなく、帳簿の付け方、人事管理の仕方など、事業を起すノウハウを教える」
 「つまり、自分で人生を築き、お金を稼ぐところまで結びつけてあげないと、本当の生涯学習ではない、という考え方。六十歳の女性が『これから勉強して新聞記者になるんだ』なんて言うのよ。(巨人の)長嶋さんじゃないけど、生涯学習は人生の“メークドラマ”なのよ」
---政府は「トップ30大学」指定など、大学の競争力を高めることを考えている。
 「だいたい文部科学省が偉そうにランク付けするなんて、おかしな話。中央集権的な発想で、研究費の配分にしても不透明になりそう。教授会が保守的で、新しい実験さえできないような現在の大学を変え、情報を開示して、スター研究者が出るようなシステムにしたらいい」
 「世界中が教育と科学技術に投資することで国を興そうとしている。日本だけが、いつまでも『道路の予算をどないすんねん』の次元では、欧米に中国、インドも加わる大競争時代を勝ち残れない」

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