野党教育政策担当者に聞く |
日本教育新聞 平成13年8月3日掲載記事 |
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自民、公明、保守の三与党に続き、民主、共産、自由、社民の四野党の担当者に教育政策を聞いた。教育基本法の見直し問題は近く中央教育審議会で審議が始まる予定。野党第一党の民主党は、党内にはさまざまな意見があるとしながら、議論自体には前向きに臨むことで一致したという。一方、野党第二党の共産党は、同法の理念が不徹底であることを問題視。改正は認めない姿勢だ。 |
基本法は書き方に工夫を |
---教育基本法問題をどう考えるか。 |
山谷:
党内には、教育基本法が変われば教育は変わるという人がいる一方、教育基本法の理念が現実に十分反映されていないことを問題とする人もいる。結局、書き方の工夫が必要であり、基本法を変えることにはやぶさかではない、という議論で落ち着いた。 |
---どのあたりを変えなければならないのか。 |
山谷:
一つは生涯学習について。今、終身雇用が崩れ、雇用の流動化が激しくなっている。大人も学び直すことが重要だ。環境教育、伝統文化に関する記述は、すでにあるが、もっとはっきりさせるべきという人もいる。 |
---今後の基本法論議の中では、教育振興基本計画も焦点になりそうだが。 |
山谷:
日本政府はアメリカなどと比べ、教育、人材育成に関する支出が少ない。日本の奨学金制度は貸与が中心。アメリカは返済不要のものが主流だ。また、塾の費用など家庭に負担がかかり過ぎている。国が公共事業を見直すなどして、しっかりと支えるべきだ。 |
---コミュニティー・スクールの実現へ積極的に取り組んできたが。 |
山谷:
地域によっていろいろな学校があっていい。もっと創造的な教育環境が必要だ。学校運営に関する公費はもっと自由に使えるようにし、各学校には情報公開を求め、評価を行う。そんな仕組みが必要だ。 |
---大阪の校内児童殺傷事件を踏まえ、今後求められることは。 |
山谷:
社会が流動化し、さまざまなストレスが高まっている。弱者に力を向けてストレスを解消するという行動が出かねない。学校では、アメリカで行われている手法などを活用し、児童・生徒がストレス解消を学ぶ機会を設けてはどうか。 |
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