メッセージ(バックナンバー)
 昭和22年の「文藝春秋」に慶應大学塾長を退任された小泉信三氏が「エドワアド・グレイ」の読書雑記を書いておられます。
 「グレイは人を幸福にするもの四つを数える。一は、吾々の行動を導く何等かの道徳的基準。二は、よき家族と友。三は、己れの存在を有意義ならしめる何等かの仕事。四は、或る程度の閑(レイジュア)とその閑の或る使い方これである」という一節です。
 エドワアド・グレイは英国の外務大臣だった方ですが、このことは、私も両親からよく言われたことでした。
 そして「必要なのは思いやり、家族、友、良き市民良き隣人としての行動、仕事、スポーツ」…と続くのでした。
 子供にはわかりやすく伝えることが大切です。生きる力だの、考える力だの抽象的なことではなく明快に語ることは、子供たちをどれほど明るく颯爽とした気持ちにすることでしょう。
 小泉信三氏はテニスに熱中し「練習は不可能を可能にす」の言葉が有名となりました。
 先日、官邸に、ウィンブルドンに行くマナーキッズ大使の学生たちが来られましたので、私は「この言葉を知っている?」と聞きますと、当然という顔で皆うなづきました。
 世界中の道徳の教科書を今、比べています。よく工夫され、具体的なことに感動します。
 日本は“自己実現しよう”“夢にチャレンジ”など、何かを語っているようでモヤモヤと抽象的。子供たちに何かを示す際には明快さや心に灯をともすような祈りの心が必要だと思います。
 サミットで環境問題の新しいステージを切り開いた福田総理大臣のリーダーシップは今後も歴史的に高く評価されることでしょう。
 安倍前総理のクールアース50提言から、日本は京都議定書の次のステージ作りを明確にスタートさせました。
 日本の技術力やもったいないの心が共感と尊敬をもって静かに広がっていくよう今後も努力していきます。
 何といっても、日本は英国BBC放送の世界調査で“世界に良い影響を与えている国”として30ヶ国中トップの国。ここ3年も連続で選ばれた国なのですから。

平成20年7月11日 山谷えり子

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