メッセージ(バックナンバー)

 横田めぐみさんの母、早紀江さんら拉致被害者の家族、救う会の皆さんと内閣府の拉致問題特命チームの委員として私もアメリカに入りました。
 国防総省(ペンタゴン)でイングランド副長官、ローレンス国防副次官ら高官10人余りと面会しました。“私たちは引き続き協力していきたい”と胸に早期救出を願うブルーリボンをつけて、問題点をお話下さいました。
 ホワイトハウスでは、国家安全保障会議のワイルダー中国部長、クラウチ大統領次席補佐官らと意見交換し、クラウチ補佐官らは「北朝鮮人権問題を解決するうえで、拉致問題など犯罪行為を忘れない。大統領は北朝鮮の人権問題に関心をもっている」と言われました。
 たくさんの時間をおとりくださり“これほどの長い苦しみにどう耐えてきたのですか。支えは何ですか”と早紀江さんに質問し、早紀江さんとの間で、家族と人生、信仰と人生、祈り、愛、人々とのつながりについて、一人の人間として魂の輝きが感じられるような会話もありました。
 「いろいろな事実を知ること共に“心で感じる”ことはとても大切で、今日はそのような日になりました」と、別れ際に高官がおっしゃった言葉は印象的でした。
 4月27日は、米国下院国際関係委員会小委員会の公聴会で、早紀江さんが、めぐみさんを救出できない悲しみを述べ「世界各国の被害者を助け出して、自由の地で過ごさせてやりたい。拉致は許せない。全被害者をすぐ返しなさい。それができないなら経済制裁を発動します」とはっきり言ってほしい。それが私たち家族の願いです」と、被害国が韓国、タイなど12カ国に及ぶことにふれました。
 予定時間は通訳含めて10分。前日、ホテルの部屋で原稿をチェックし、削りに削ったものです。当日の朝、「人間だから緊張します。でも神さまが助けて下さる」と私に笑いかけて議場に入られましたが、私は証言内容を知っていたにもかかわらず10分間涙が止まらず、神仏がそばにおいでになっておられるような神聖さを議場に感じました。
 証言席の後ろにいためぐみさんの弟拓也さん、増元さん、飯塚さん、市川さんがそれぞれ被害者の写真を高く掲げて立ちあがった時は、議場が涙で揺れるようでした。米国国会議員も泣きながら聞いていました。
 28日、早紀江さんはブッシュ大統領とお話なさり、大統領はアメリカ政府が問題解決に力をつくすことを力強く約束されました。多くの報道とご支援に感謝します。
 ブッシュ大統領のリーダーシップと政府一体の取り組み、問題意識の強さは、日本で予想していた以上のものでした。政府高官との会談はどれも有意義で、その他にも、拉致の映画上映会、市民団体や商工会議所、連邦議会議事堂前芝生広場での野外集会、私も英語でスピーチしましたが、アメリカでの報道と人々の関心は心強いものでした。
 早紀江さんは滞在中、何度も何度も“やっとここまできたのねぇ”“おかげさま、おかげさま”“感謝です、感謝です”を繰り返されておられました。
 救う会家族会を作って約10年、雨の日も雪の日も、街頭で訴え、集会で訴えてきました。拉致議連副会長としての私は、無力さにうちひしがれる思いの日々でもありました。アメリカの議会で、早紀江さんのそばで証言を聞きながら、“解決しなければ”の力を、またいただく思いがしました。
 議会証言、ブッシュ大統領会談は解決のためのジャイアントステップです。歌の好きなめぐみさんに、早く帰国していただき、日本の大好きな歌を早紀江さんら家族と大声で歌っていただきたいと思います。
>> 早紀江さんがブッシュ大統領にお渡しした資料をリンク致します。
 ブッシュ大統領はすべての写真とメッセージに目を通されました

平成18年5月1日 山谷えり子

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