メッセージ(バックナンバー)

 日本古武道演武大会に出席しました。古武道は、戦いの場で生まれ、永い歴史と伝統の中で継承され、心胆を練り、心身を錬磨し、磨かれてきた文化遺産です。
 武道精神は礼を大切にし、平和を願う心を育てます。私も合気道をほんの少しやり、武道議員連盟メンバーということもあり、各流派の宗家、門下の方々による演武は興味深いものでした。各国の大使もご参列下さり、観客席には、外国人ファミリーの姿も見られました。
 演武は11時から16時まで35流派におよびました。たとえば剣聖として有名な塚原ト傳のト傳(ボクデン)流の宗家は現在16代目。青森の道場で今も毎週日曜朝7時から修練が行われています。気迫のある捨身の技に目を見張りました。沖縄の金硬流唐手(キンガイリュウカラテ)は、中国から伝わり琉球王朝時代形成されたもので、身の回りの農機具、漁具、石や草木等を使っての守攻変幻自在の技。女性たちのメリハリある演武を見せていただきました。火縄銃や三重県無形文化財指定の心形刀流(シンギョウトウリュウ)会長は92才のご高齢にもかかわらず、瞬時の身のこなしは、10代の若者より素早いものでした。礼法の家として知られる小笠原流は、本来は弓馬の馬術。基本動作をまとめたのが武家社会の作法となったもので、馬を使います。
 各地を武者修行して広まったものや、藩外不出の“お留流”としたもの、それぞれの流派が、平安時代から平成まで継承されている姿に感動します。
 江戸時代末期には武術流派は1100流派ほどあったものの、現在は500流派ほどになっているといいます。継承は宗家の方々の信念と情熱によるところが大きいのですが、国として、こうした身体文化を無形文化財として大切に出来ないものかと思います。
 平成13年成立した「文化芸術振興基本法」で、私は議員立法提出者のひとりでした。基本法の附帯決議として「我が国において継承されてきた武道、相撲などにおける伝統的な様式表現を伴う身体文化についても、本法の対象となることにかんがみ、適切に施策を講ずること」とあります。国の重要無形文化財は、現在芸能、工芸技術など、の分野の認定制度となっています。認定ジャンルの見直しも含めて今後検討していきたいと考えます。

 街には、おひなさまの飾りが華やかです。昨年はわが家のおひなさまは娘と一緒に飾ったのですが、今年はなかなか時間がとれません。気にかかっていたところ、帰宅すると息子が「母さん、姉さんと、妹のために…」とおひなさまを飾りつけてくれていました。ひなまつりのオルゴールをかけながら、嬉しくてなりませんでした。

平成18年2月12日 山谷えり子

<< 前のメッセージへ 次のメッセージへ >>

山谷えり子事務所
〒100-8962 東京都千代田区永田町2-1-1 参議院議員会館611号室
TEL:03-3508-8611/FAX:03-5512-2611