メッセージ(バックナンバー)

 衆議院予算委員会の席に座っています。また、本日は今国会提出予定で内閣府として提出する法案の説明を「83会」昨夏当選した若手の国会議員に説明しました。一人一人机の上に法案と資料をうづ高く積みあげて読み込んでいます。懸命なる姿勢は頼もしい限りです。
 また参議院の国対でも法案説明をいたしました。
 教育基本法改正について「宗教教育」に関してメディアよりインタビューをうけました。
 私は、国際化時代を生きる現代人に求められる教養として、宗教に関する理解は不可欠と思っています。世界で15億人のキリスト教徒、11億人のイスラム教徒、7,5億人のヒンズー教徒、3,5億人の儒教、そして日本でいえば神道系が1,2億人、仏教系が9千万人、キリスト教徒150万人。それぞれの国、歴史、民族、文化への理解のために宗教教養教育は必要と考えています。イギリスはサッチャーの教育改革でキリスト教、イスラム教、ヒンズー教、仏教、ユダヤ教、シーク教の6宗教を学ぶべき課目としています。
 また、宗教は知識だけでなく、情操を培うことも大切です。宗教的情操の涵養は道徳の根底を支え人格形成の基盤となるものです。イギリスは小学校で毎日のように祈りやメディテーションの時間をもっていますが、そうした体験も大切でしょう。
 日本では極端な宗教教育からの距離の置き方が問題になっています。京都奈良への修学旅行はこの10年で半分。伊勢神宮へは昭和50年に54万人、60年には35万人、平成9年には7万人と激減し修学旅行に行っても、鳥居の手前で解散。鳥居の中に入ることの強制はよくないと極端なことをする学校もあります。給食の前に合掌して「いただきます」ということを禁止する学校もあります。世界の多くの人々が生きるうえで大切にしている宗教、信仰について、日本の教育現場は、もっと深い洞察とアプローチが必要と思います。
 人間は利口のようで利口ではありません。ねたみ、たかぶり、むさぼり、おごりの思いから自由になれません。むつみ、やわらぎ、徳をみがき、不足の思いをせずに、ひざまずく心、感謝の気持ちを持つことや、個人の尊厳は、宗教的価値観、情操ぬきにありえないように思います。人間が生きるため、宗教というものの存在を知り感じとることは子供たちにとって、より良い人生を約束することでしょう。

平成18年2月7日 山谷えり子

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