メッセージ(バックナンバー)

 名月に、すすきにりんどう、われもこう、鶏頭、菊で部屋をいっぱいにしました。静かな秋、涼風、明澄に感謝し子どもたちと月をあおぎました。
 おいもに枝豆、団子を供えて。“この月の光で糸を針に通しなさいね。お裁縫が上達するから”と家庭科の女教師は教えてくれましたっけ。運針、レース編み、10代前半私の好きな趣味でした。もうずいぶん縫いものをしていません。
 十五夜お月さんの前は待宵、十六夜はいざよひで、十七夜は立待月、十八夜は居待月、十九夜は臥待月、二十夜は更待月(ふけまちづき)。“名月のあと、一日一日と月が出るまでの時間が遅くなるので、立って待ったり座って待ったり、寝て待ったりするのですよ。日本人はそれだけ季節の変化に心をゆらしました。そばにいるのはもちろん恋人でしょう”と、これは古文の女教師がうっとり語られていましたっけ。今やそんな情緒も伝わるのかどうか。心もとないながら、娘にそっと話してみました。“ふーん、お母さんそんなことよく覚えているね”娘は笑いました。近所の竹やぶのそばを歩きながら、ふとかぐや姫さまはおいでかしらとのぞいてみた待宵、良夜です。
 9月19日敬老の日、母と姑に花を贈りました。両女性はとても元気。77才と81才で現役で仕事をしています。私は55才になりました。少し落ち込んでいると、母が“Happy Birthday55、Go,Go!”というカードをくれました。77才喜寿の母からみると55才はゴーゴーの年なのですね。Go,Goとお役に立つよう気張らにゃあと苦笑い。ところで古稀の先輩は“体をコキコキ鳴らして、ダンスにカラオケ。自分で陽気にしなきゃ、誰が陽気にしてくれる?!”米寿の小学校時代の先生をお祝いのために訪問すると、退職金で買ったという畑でお仕事。笑顔で“生涯働く。福沢諭吉先生の言われた言葉を、じゃがいもやかぼちゃを作って実践中。”と迎えてくださいました。
 素晴らしき先輩たちの姿勢を見て、世界一の長寿国をかみしめ直しました。余生は余った人生と書きますが。そんな考えはヨセ、ヨセ???

平成17年9月20日 山谷えり子

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