メッセージ(バックナンバー)

 子育て支援のためのパンフレット「未来を育てる基本のき」(文科省委嘱)が先月末、やっと販売中止となりました。男らしさ、女らしさを押しつけてはいませんかと、ひな祭りやこいのぼりを否定的に提示したり、“子育てはジェンダーフリーで”と書くなど問題があり、H,14に私が国会で問題にしたものです。福田康夫官房長官は「正直言って賛成しない」と答弁されたのに、今年も、また販売しているのです。男らしさ、女らしさを文化面まで含んで否定したり、男女混合で騎馬戦、林間学校のテントで寝かせたりのジェンダーフリー(性差否定)教育は、子どもたちの人格形成に深刻な問題をもたらしています。
 私は【3月29日の外交防衛委員会】で、日本政府が国連の場で“ジェンダーイコール社会を作る”と演説したことに疑問を言いました。ジェンダーイコール社会を作るとは概念としてジェンダーフリー社会と同じ意味であると思います。男女が仲良く、差別なく暮らす社会づくりは国民の総意ですが、ジェンダーフリー社会を作ろうなどということは、全く議論されておらず、一部の人の暴走と考えます。その時、「未来を育てる基本のき」が何故今も配布販売されているのか、回収すべきではないかと指摘しましたが、その場では明確な答えが得られませんでした。
 作製した日本女性学習財団は【4月2日付産経新聞】の取材に「パンフがすべてなくなったので、販売をやめた。文科省の指導や国会での批判は関係ない」と話してしるのには、首をかしげてしまいます。パンフレットで「子供たちは、ジェンダーフリーに育ってほしい」と訴え、文化否定もする内容こそが問題です。問題が指摘されているのに今年もずっと販売を進めているのも問題です。販売中止は当然のこととして、細田男女共同参画担当大臣も中山文科大臣も賛成しないジェンダーフリー社会づくりを進めようとする乱暴なことこそ、根本的に考え直していただきたいと願います。
 なお男女共同参画基本法は英訳で The Basic Law for a Gender - equal Society だそうです。諸外国では性差別禁止法は Equal - opportunity とか The Sex Discrimination Act とか Human Right Act となっておりジェンダーフリーは使いません。ジェンダーという意味不明の概念、解釈がころころと変わるこの言葉を法律名とする英訳は変えるべきでしょう。

平成17年4月2日 山谷えり子

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