メッセージ(バックナンバー)

 参議院予算委員会の視察意見交換会で、活力ある中部経済圏静岡、愛知の経済・技術事情を見てまいりました。スケジュールは、ヤマハ、浜松ホトニクス(小柴昌俊ノーベル物理学賞のサポートをしたハイテク企業)、トヨタ自動車(環境技術の現状など)、愛知万博会場、藤前干潟(ラムサール条約登録湿地)中部国際空港(2月17日開港。これで成田、関空、中部と3つの大型国際空港時代となる。新空港はトヨタなど民間企業、経済団体が5割出資し建設・運営するため事業費1200億円が安くなり、着陸料もジャンボ機で約66万円と成田約95万円、関空約83万円と比べても安くなる。これからの公共事業のあり方のモデルとなるもの)
 毎回のことですが、最先端を支える方たちの努力と哲学には感動いたします。以下、少し詳しく報告しますと、
 年間32万人が見学にくるという(うち小学生8万人、韓国、中国からも)新装のトヨタ会館では京都議定書が発効したばかりでもあり、環境技術や工場ラインの説明・見学をしました。また、次世代はぶつからないクルマを作ろうという考えのもと、センサーで死角にある車の走行をキャッチして、衝突を避けるシステムなどの研究開発ぶりに感心しました。国の研究開発減税によって、国際競争の中でトップグループを走れる感謝の言葉が技術者側から述べられたのも印象的でした。ヴィッツの5分の1の大きさの1人用自動車や関節を自由に動かしてトランペットを気持ちよく吹くロボット(愛・地球博展示予定)も興味深く見ました。来年から人材投資減税も行われますが、日本発の技術を支えるため有効に使われてほしいものです。
 3/25〜9/25開催の愛知万博会場では、1500万人の入場を目標とし(現在前売り券約800万枚弱)、整備も着々と進んでいる中、エネルギーシステム 、日本館視察をしました。万博が始まったのは1851年ロンドン万博。1862年には政府が出展したり、1862年は福沢諭吉も訪問したとか。
 パリが会場になり記念としてエッフェル塔ができたのは1889年。大阪万博は1970年でした。フライドチキンやピザが日本に普及した頃で、学生だった私も友人と会場を訪ねてひたすら好奇心を胸に走り回ったのはなつかしい思い出。あれから35年もたつのですねぇ。今回の地球博は、自然との共生、未来への技術紹介、宇宙生命情報、122カ国(大阪万博は76カ国)の参加と各国のナショナルデーが見もの。市民ボランティアも3万人公募という状況で、運営も見どころです。
 希望のない若者がふえたといわれる日本ですが、訪れた方が自分の未来を建設していく何らかのエネルギーを感じてくれたらと思いました。
 また、大阪万博の時は外国人入場者は全体の3%でしたが、今回は外国人入場者は10%が目標。中国、韓国、台湾からのお客さんが大きく期待されます。日本の良さを感じていってほしいものです。日本館はすべて自然エネルギーでまかなわれ、建物は竹の大きなカゴでおおわれて日射量を低減し、さらに屋根の上に循環させた水を流して冷却しています。その姿を見て、私、「あれまぁ、これはよしずと打ち水の世界。昔の知恵を科学によって作り出してしまった」とたまげつつ、感心しました。
 18日は、参議院少子高齢社会に関する調査会メンバーとして、仕事と私生活の両立支援に熱心な企業P&G(日本P&Gは28カ国の社員、62%は女性社員で時短、フレックスタイム制、配偶者出産特別休暇施策など多様な私生活を応援するプログラムを充実させている。)を訪ねました。
 また、兵庫県立こども病院に周産期医療(低体重出産児、多胎児、妊婦の精神的ケア、母子関係確立、母子同室、母乳育児応援、長期入院児の問題)の実状を見ました。高齢出産、不妊治療の広がりなど、低体重出産児増について、国としても何かしなければならないと考えます。

平成17年2月16-18日 山谷えり子

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