メッセージ(バックナンバー)

おでん酒 酌むや肝胆 相照らし(誓子)
春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて冷やしかりけり(道元)
 寒い季節、縄文時代からはじまったともいわれる鍋は、何といっても今がイチバン。私にとっては、手抜き料理のひとつなのですが、何故か子どもたちは「うわぁー ごちそう!」と言うんですよね。といっても、もうすぐ立春、節分なのですねぇ。
 子どもたちは恥ずかしがりますが、わが家では私が一番大きい声で「鬼は外、福は内」の豆まきをいたします。そして、翌日は小さな庭にまかれた豆を小鳥がおいしそうにチュンチュンつつく愛らしい姿を見ながら、「あらあら、鬼も福なの……神さま仏さま鬼も福もどうぞよろしく」などと思うのも例年のことなのです。
 1月27、28日各新聞に教育基本法改正法案今国会提出見送りへといった記事が出ました。教育基本法改正を求める署名は350万人にのぼり、教育基本法改正促進委員会には388人の国会議員(衆参ともに過半数、自民党327名、民主党59名、自由連合1名、無所属1名)が加盟しています。教育正常化のためには、早期の改正が必要です。
 与党教育基本法改正検討部会座長の保利耕輔元文相は、1月27日に「改正案の今国会見送りは考えておらず、作業を進めているところ」と言われました。そんなわけで28日は教育基本法改正を今国会で進めようという思いの国会議員たちが集まり、自民党3役、国対関係者と意見交換、申し入れをいたしました。今国会見送りと断定的に書かれている新聞は事実ではなく、改正のため働きつづけていきます。
 東京裁判のほぼすべての審理を傍聴し、記録をとり、「私の見た東京裁判上下」(講談社学術文庫)として出版した富士信夫さんが87才でお亡くなりになりました。
 第2復員省臨時調査部法廷係として、423回の公判を記録したものは、被告、弁護人への大きな助けとなり、私もその時代の空気ややりとりをお教えいただいたものです。1月27日のご葬儀の遺影は、静かなおやさしい、ちょっとはにかむような表情で、なつかしく思いました。著作の印税や講演料は靖国神社に寄附なさっていたこともあとで知りました。静けさと情熱をあわせもつ美しい男性の生き方であったと尊敬いたします。

平成17年1月28日 山谷えり子

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