メッセージ(バックナンバー)

 17日夜から18日にかけて福井県北部を襲った集中豪雨。
中学まで福井で育ち、7月16, 17と福井に入っていたのでショックでした。復旧作業が進みつつありますが、夏の暑さで衛生状態が心配ですし、災害救助法、災害法指定されても大きすぎる被害のため時間もかかります。友人や親戚の人から次々に“自然は怖い”“雨の音があんなにすごいとは”“学校もメチャメチャ”“泥を掃きだしている。負けないよ”の声が入ってきます。21日は安倍幹事長も福井現地視察をして下さり、支援のあり方を考え、実行に移していきます。
福島、新潟も大変です。19日小泉首相が視察し、激甚災害指定を名言しましたが、ふと越前は三国海岸で巨大タンカー、ナホトカの沈没による重油流出事故取材をした仲間の報告を思い出しました。あの時は冬の海、ひしゃくで重油をくみあげる作業は遅々として進まぬ中、仕事柄胸つぶれそうになりながらインタビューしたといいます。
「今年の収入の見通しは?」と尋ねると「ゼロ」という答え。「おいくつですか?」と聞くと「73才」。友人は思わず息をのみ手ぬぐいでほほかむりした顔をのぞきこんだといいます。
「73・・・」友人がつぶやくと「アンタの隣の人は80歳」といったそうです。驚く友人の前で80歳の海女さんは涙のにじむ目で「負けないよ」そう言いきり、この声に続いて、バケツリレーで重油を運んでいた疲労困憊のはずの海女さんたちが次々と“負けないよ”“負けないよ”と声をあげていったといいます。
絶望的な状況の中で、負けまいとする人の魂。それに対し、行政はできるかぎりのスピードで応えなければいけません。
福井育ちの私は、幕末の越前の歌人 橘 曙覧(1812-1868) の歌をよく教わりました。
「たのしみは妻子(めこ)むつまじく、うちつどい頭ならべて物を食ふ時。」クリントン大統領が来日された時、“日本にはタチバナアケミという歌人がいて、私も好きな歌があります”と紹介した歌もあります。「たのしみは、朝起きいでて きのふまで なかりし花の咲ける見る時」大統領は英語で「プレジャー イズ ウェンアイゲットアップ アンド シーザーフラワー ゼアワズ ノット ゼア イエスタディ」と語られましたが、福井に新潟に福島に一日も早くそんな日常をもどすため、政治家、行政では現場を見て、聞いて、被害額の積み上げ、地場産業への被害、農作物の被害の実態調査と連絡体制の未整備だったところの新体制づくりに尽くし努めたいと思います。

平成16年7月25日 山谷えり子

<< 前のメッセージへ 次のメッセージへ >>

山谷えり子事務所
〒100-8962 東京都千代田区永田町2-1-1 参議院議員会館611号室
TEL:03-3508-8611/FAX:03-5512-2611