メッセージ(バックナンバー)

 佐世保市の小6同級生殺害事件の報道に接した時には、息も止まる思いでした。妻を亡くし、男手ひとつで育てあげていたお父さまの気持ちはどんなでしょう。小6の加害女児は、殺すつもりだったと言っているといいますが、人を殺すということがどういうことなのか、本当にわかっていたとは思えません。
 18歳の末娘に新聞を読みながら「加害女児は近所でもごあいさつをよくするいい子だったんですって。家庭も問題なくて…」と言うと「お母さんは甘いよ、いい子かどうかなんて本当には誰もわからない。特に今の子たちは仲のいい子ほど恐ろしいこともあるのよ。互いの心は読めない」と言われました。
 末娘は昨年の夏、交通事故にあって血だらけになってしまった父親を抱きしめながら「嘘でしょ、嘘でしょ」と心の中でつぶやきながら救急車を待ち病院に着く40分間を耐えたといいます。その体験や父親の死を、友人たちにはまだ話していないということです。“どう受けとめられるかわからないから”というほど現代の子どもたちの人間関係は、複雑のようです。
 文科省は、ネット上のエチケットを教える「ネチケット教育」に力をいれるといいますし、カウンセラーの配置や命の教育の大切さにも力を入れていくことでしょう。でも、どれもこれも、現代の子どもたちの傷つきやすさと、もろさを考えると空しく思えてもしまうのです。宗教的情操心を育てる教育をし、3才ぐらいまでしっかり抱きしめてやる安心あったか子育て環境、家族を守ることをしなければ、つまり根っこにまで目をやらねば、とくに対策も無意味です。政治的には教育基本法にこれらの項目を入れて、教育の質を変えること。憲法の前文に家族の絆や家族は保護尊重されるべきという条項を入れることが大切です。諸外国にはこうした明記があり家族省、家族大臣がいる国がたくさんあります。

平成16年6月4日 山谷えり子

<< 前のメッセージへ 次のメッセージへ >>

山谷えり子事務所
〒100-8962 東京都千代田区永田町2-1-1 参議院議員会館611号室
TEL:03-3508-8611/FAX:03-5512-2611