メッセージ(バックナンバー)

 夏のような暑さの日もあるこの頃、水田の若苗育つ美しい風景を見ながら、昨夏お会いした対テロ活動としてインド洋上の補給艦で働かれる日本自衛官や、バクダットで職を求めるため、50℃の炎天下を黙々と数時間も並び続けるイラクの男たちの顔を思い出します。
 そして、日本女性のノースリーブの腕の若い輝きに“幸あれ”と思わず祈ってしまうのです。
 来年改正される介護保険制度の行方が気になって、このところケアハウス、デイサービス、リハビリセンターなどを回っています。上野のケアハウスでは、親子、兄弟でも入居できる新しいタイプのケアハウスでした。軽度要介護者サービスの見直しが言われているために、デイサービスのサービスがどうなるか不安に思っている人もいるようです。
 私は、記者時代欧米での高齢者サービス事情をたくさん取材し、介護保険導入の準備委員会にも参加しました。ですから、見直しの必要性を痛感しています。報酬のあり方、地域の実情に合わせたあり方、施設入居と在宅のバランスなど見直さないと、人間らしさの点でも財政的にも問題です。
 お金もうけだけが目的のような業者やむしろ生きる活力さえ奪いかねないようなサービスのあり方を改善したいと思います。
 数年前、カルフォルニアで日系人が住む老人ホームを取材しました。お茶やお花を町の人達に教えたり、コーヒーショップを皆で経営してお金を稼いで運営費にあてたり、車椅子に紙オムツでポーカーの相手役ボランティアに走り回っているおばあちゃんもいました。私を見ると“ようこそ、ウエルカム トゥ ラスベガス!”と茶目っ気たっぷりに声をかけてくれました。自助、互助、公助のあり方、日本でも人間らしく生きるために知恵ある議論をしたいものです。

 拉致被害者の5人のお子さんが帰国され、日に日にやわらかな笑顔がもどるにつれ、今回お戻りになれなかった同胞の淋しさ、悲しみを思います。
横田さんご夫妻と増元さん、飯塚さんらと町田で4000人の家族支援集会に出席しました。大会の最後に「進展がない場合は、経済制裁の発動を政府に求めるよう地方議会に働きかける」「拉致問題を教育現場で取り上げ、風化を防ぐ」とする大会決議が承認されました。
 昨年4月、チリで私は115カ国580名の世界の国会議員が出席する会議で「核兵器不拡散条約(NPT)脱退宣言の撤回、ミサイル活動の自制、テロとの戦いにおいて輸出管理体制の強化」などをまとめ、報告責任者として演説し115ヶ国の賛成により決議されました。国際協調、世界平和の創造のための広い視点からの議論を抜きにしてはなりません。
 昨年3月、横田早紀江さんがアメリカ議会からの帰り道、「国なおしよね」と言われ、もらされたタメ息の深さは忘れられません。
 首相訪朝後、家族会の皆さまは小泉首相への感謝の言葉を述べられましたが、テレビではその部分はカットされて放映されました。マスコミの報道は品位と節度、バランスのあるものであってほしいと願います。

平成16年6月 山谷えり子

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