メッセージ(バックナンバー)

 戦乱に苦しむイラクが、アテネ五輪出場を決めたというニュースを嬉しく聞きました。去年の夏、イラク調査団としてバクダットを訪ねた時、日本の援助でサッカー場が作られているところを目にしたからです。
 現地の人が「イラク人はサッカーが好き。オリンピックに出場したい。4大会ぶりに出場できるなら、日本の援助で出来たこのグラウンドが練習の場となる」と私に目を輝かせて話しかけてきました。横で、亡くなられた奥大使が笑顔でうなずいていらっしゃった姿を、感慨をもって思い出します。

 年金改正法は、年金未納国会議員が約100名発覚とあって、問題の根源を浮きぼりにしました。
 平成17年度予算編成では社会保障費の抑制が重点となりますが、税収42兆円 予算82兆円のわが国にあって、社会保障費86兆円給付というのはどう考えても異常なバランスです。(うち年金46兆円、医療費26兆円、福祉14兆円)このままでは20年後に年金64兆円、医療59兆円、福祉30兆円の152兆円給付という状態になります。
 本質的な議論を先送りしてきたツケですが、ここは災い転じて福となす。禍福はあざなえる縄の如し。自助・互助・公助のバランスの見直し、家族政策の充実などで、世代間が憎み合わず敬愛し合うための構想づくり、議論の場を作ることが必要と考えます。スケールの大きい本質的な議論をスタートさせるための場づくりに工夫が必要と思います。

 このところ全国の専門学校を訪問しています。就職率77%(大卒は55%)地元企業とも良い関係にあり、動機づけがはっきりしている中での専門教育の充実は、日本の活力ある未来につながると考えます。
 先日も美容、工学、福祉、コンピューター、保育などの専門学校を訪ねました。出席率98%、資格取得100%という学校を訪ねると、1人1人が快活にあいさつしてくれ、人間教育もしっかりしていることが感じられました。
 人材は宝もの「人財」です。自分の持ち味を発揮できて世のため人のために働けるのは最高の喜びです。鍛えられ育ちゆく若者を目にすると”幸あれ、幸あれ“と心の中で唱えてしまうのです。
写真:専門学校を訪問

平成16年5月19日 山谷えり子

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